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右手にサイコガンを持つ男  作者: 西南の風
163/281

163 いざ 家庭内の内情


ギルマスより依頼されたダンジョン攻略の支援を完了したアーシャとミューそれにエルフ5名は、それは楽しそうに結果報告を家で待っていた皆に報告を行う。


宴会の勢いもあったのであろうが、彼女たちからの攻略話は夜遅くまで続く。

それを聞いている皆の様子が何となく気にかかるユウゾーであった。


その理由は翌日にも判明する。

皆から私達もダンジョンに行かせろと大合唱になる。


やはりか…何となくそんな気配があったからな。

この所農業に専念して魔物退治の憂さ晴らしにご無沙汰だったな…。


ストレスを発散させておかねばな。

状況的にはあの迷惑な国も小康状態だし、かといっていつ何時どんな状況で戦火が広がるかも知れない、ここはダンジョンは距離的に無理だが、数日の森の中への探索なら交代で何とかなる。


定期的な訓練を兼ねて妻達の憂さ晴らしにも有効だな。

そう提案すると皆から それで良い との賛同を頂けた。

希望者の確認をすると 何とライラも手を挙げる それはそうか、ライラが一番家に籠もり皆の裏方で頑張ってきたものな うん たまには発散しておいで。


えっ プラハ お前もか?!

うーん 確かにこの所逞しくはなってきたな、、ここはマーラかニーナの監視下の元で承認だな。

ニーナが任せろと頷いている。


頼むぞニーナ 村から預かっている大切な人材だからな。

第一次鬱憤晴らし隊のメンバーはニーナ・ライラ・プラハそれに他のエルフ5名が銃の訓練を兼ねて同行に決定。


くれぐれも無理の無いように怪我をせぬよう帰還しておくれ。

安全第一だぞ、えっ くどいと…わかってはいるが心配なんだよ。




続いて第二次鬱憤晴らし隊が完了してようやく我が家は平常に戻ってきた。

今は秋の収穫に向い全員にて段取りの打ち合わせ中だ。


この間に新開拓村の街作りの手伝いとかが入ってユウゾーはバタバタ飛び回っていた。

村はかなりのペースにて新しい建物が追加されていた。


基本商業地区とその関係者の住居が今回は建設されて、約半分が埋まっているが残りは今後の状況次第で取り敢えず空き地のままになっている。


建築関係の派遣員も一旦引き上げる事になり、静かな日々が訪れようとしていた。

ケイトも一段落がついて今週から午前中の出店だけに変更していた。


さて ケイトや お勉強がかなり溜まっているようだが?

そんな悲しそうな顔をしてもダメ!

ライラ 今までの遅れを取り戻すようにお願いだ。



そう言えばこの所ユウゾーの村の直営店がかなり売上が伸びているようだ。

メインは野営に関するグッズと魔法袋の中古品の注文が多い。


何で急にと訝しげに考えていたら、どうやらダンジョン攻略時に有力な冒険者達がその価値を見出して、それが他の冒険者達にも広まっていったらしい。


他の地区からも出稼ぎで訪問している冒険者達にも広まり、ここで買って国に帰ってから自慢する者も多く居た為に他の都市からの注文も商人を介して増えている。

申し訳ないが他の都市までは少し手が回らない、暫し待ってもらう事となる。



いつの間にかユウゾーはお金が貯まりだした。

他にも野菜関連の売上や手動ポンプの売上そして国からの定期的な支援金やetc


管理しているライラがお金の隠し場所がなくなり、新たに地下金庫の類を掘ることになった。

考えれば入る事があっても出るお金は殆ど無い。


うーん ここでお金が停滞しては国の経済が回らぬと、考えるふりをすれば妻達から冷めた目で見られてしまった。


スイマセン こんなにお金の処置に困ることなど今までなかったもので、ついカッコをつけました…。


でもお金は貯めるだけでは意味がない、有効な利用法を皆にも考えてもらおう。

マーラさんや お酒は頭からはずすように…。



だがこの心配は直ぐに解決する事となった。

ギルマスが怒鳴り込んできたのだ、この数年大量の金貨がこの新開拓村に運ばれてきたが、常に慢性的に金貨不足が発生している。


何故か入と出がかなりの乖離となり、ギルドも何か可怪しいと改めて金の流れを追求していくとどうもかなりの金の流れがユウゾーから先に流れていないと判明。


怖い顔をしたギルマスに散々問い詰められ、止むなく地下の金庫室に案内したギルマスは腰を抜かさんばかりに驚いていた。


どれほどの金貨が収まっているのか、いや金貨だけではなくダンジョン産と思われる宝石関係もゴチャゴチャと山積みに置いてあった。


これだけ貯め込まれるとこの小さな開拓村では慢性的な金不足になっても仕方ない。

暫くギルマスからの説教が止むことはなかった。


ギルドから職員が集められほぼ一日かけて金額の確認作業に追われた。

その結果として取り敢えず半分の金額がギルドに預金として没収される。

更に今後村の新規事業の際はユウゾー先から融資する事を約束させられる。


当初ユウゾーは利息はいらないと断っていたがそうはいかず、かなりの格安の利息を支払うことで契約が纏まったのである。


格安の利息で融資するなら当然借り手も喜ぶ、面倒な審査も殆どフリーパスに近いとあれば新開拓村内はちょっとした新規融資ブームが起こり、その噂を聞き入れた外部からの入居希望の書類が窓口でもあるギルマスの元に山程積み上がる始末だ。


言い出しっぺのギルマスは早々に音をあげ、現状から逃避を続けほぼ毎日の大半をユウゾーの庭で過ごす事になった。

まぁ 何かあれば直ぐに連絡が入る距離だからな…。




ユウゾーの個人資産ばかり目に入るが、意外に妻達もそこそこ貯め込んでいる。

特にミューとミーアは別格と言われるほどにギルド貯金で貯め込んでいる。

一番の原因は共にお金に無頓着な面があり、定期的に分配されるお金を全てに近いほど貯金に回されていた。


なんせ衣食住に関してはすべてタダ同然であり、楽しみなおやつ関連も基本ユウゾーから出ている、更に村に出かけては他のメンバーが美味しい物を良く買い込んでくる。

いわゆるお裾分け状態に近い、それと某者から没収したスパイ行為による臨時収入金がおやつ代にいまも残金が残っている。


要は使う所が何もない状態では貯まるしか無い。

次にライラが順調に貯め込んでいた、理由は上記二人と同じだ。


他の3名は多少状況が違う、アーシャも比較的貯め込んではいたが彼女は一級冒険者として活躍していた期間においてかなりの貯蓄があった。

それがユウゾーの妻としておさまってからはそれなりのお酒等に散財したが、基本出るより入る金額が多い、自然増加型であった。


問題はマーラとニーナであるが、特にマーラが好きなお酒にお金の糸目はつけず定期的に村へ出かけては村にある寮のエルフ達と酒宴を開いている。


無論この件はユウゾーもよく承知している事項で、定期的に皆の息抜きが必要とマーラにこっそり小銭を支払っていた。


マーラが忙しい?時にはニーナが代役にて他のエルフ達の面倒をよく見ている。

村の寮生は基本皆村内にて働いているのでそれなりの金額が各自毎月入ってくるが、一年後には各自の村に帰る時の食材や不足品等の土産代として消える事になり、特にユウゾー達は不自由の無い生活を送れるように気を払っている。


寮には定期的に食材の差し入れがあり、それなりに金を貯めて各自が楽しく暮らしていると報告が上がっている。


よってマーラとニーナは性格上どうしてもどんぶり体質に輪をかける生活となり、貯蓄に関しては微増のレベルしかない。


一番恵まれているのはユウゾーの敷地内に住む、第二寮のエルフ15名かもしれない。

基本待機が仕事となる彼女たちは畑仕事の手伝いによる小遣いを入手の他、魔物退治による肉の提供以外は全て彼女達の取り分となる。


魔物の宝庫とも言うべきこの地で彼女たちは定期的に少人数にて魔物狩りを実施している。

毎回かなりの数を仕留めてくる、無論美味しい肉は皆で食卓に並ぶが、そうでもない魔物肉は魔石と一緒に各部材品としてギルドにて換金となり、それが彼女たちの一番の収入源となる。


ほぼこの地に来て半年、彼女たちは驚くほどの金額を貯め込み、そして時々新開拓村の良からぬ場所にこっそり現れるのは公然の秘密となっていた。


要はユウゾー関係者は誰もお金に関しては左程心配ない状況といえるのだ。



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