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右手にサイコガンを持つ男  作者: 西南の風
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159 いざ 開拓村の現状


各村から派遣されたエルフ達はこの新開拓村に慣れ始めてきた。


週に数回半数ずつが狩りに出かけ銃の慣れと魔物のお肉回収に出かける。

かなりの量の魔物を一回に穫れるので余った魔物はギルドに卸して各自の小遣いにしてもらう。


後に聞くとかなりの高額金額が皆の手に残っているとの事だった。

この地区は魔物の数が半端ないからな。

この地にて住んで数年経つが一向に数は減らない、流石に当初に比べて減ってはいるが少し奥にはいると魔物の宝庫となる。


この森の豊かさがわかる一例だ。





初夏に季節が移る頃、戦場より一報が届く。

両国が二回目の停戦状態に入ったとの事だ。

前回と違うのは今回は領土問題が話し合われて、きっちりと互いの線引きが示されたことによる停戦となった。


実質的なチェチェ国の敗北だ。

国土の半分をスネア国が治めることになった。

スネア国は一大勢力となり周りの国々はスネア国の今後の動向に刮目せざるを得ぬ状況となった。


今回スネア国に賛同して参加した国は三ヶ国、敵対した国はチェチェ国以外に四ヶ国であり、停戦と同時に三ヶ国がスネアに寝返った。


いずれも小国ではあるが、大勢はスネア国に大きく傾いた。

今後の事は不明にせよ、チェチェ国の再復活はかなり厳しい状況と思われる。


このユーラシア国に対してどの様な対応が今後行われるのかが注目される。

当面はスネア国は新領土と国内の安定化を急ぐであろうが、問題はチェチェ国内がかなり乱れており、場合によっては立て直しのために更に無謀な戦を行い周辺国に攻め寄る可能性もある。


その場合狙われやすいのは国土に広大な農地を抱え、尚且左程人口の多くないこのユーラシア国が標的とされる危険性もある。


領土の半分は失えども今だユーラシア国とほぼ同じ広さがあり、人口は倍近く居る。

戦火により治安と食糧問題の解決が急務となろう。


この国に攻め入り食糧問題と再度領土拡大に動いても不思議ではないのだ。

ただ両国の間には高い山々が連なっている、山越えの道が何本かあるが、大軍を移動出来る場所は限定される。


オレオンの都市と王都の丁度中間点にある山越えしか大軍を派遣には向かない。

最悪時には山の頂点にある国境に堅牢な砦を防止用に作れば時間が稼げるが、支援国が今は現実問題ないのだ。


スネア国に寝返った隣国は正直当てにはならない状態だ。

今更スネア国に媚びても軽くあしらわれるだろう。

力を見せねばスネア国も動くまい。


当面スネアは内政に注力するだろうから、チェチェの動向に今は最大限の情報を集める。






新しく敷地内に作られた家は原則二人部屋ではあるが、現在定員の丁度半分の寮生しかいないので各自個室と同じ状況であった。


二階には10室あり、一階は5室に食堂・風呂・娯楽室がある、ほぼこの寮に住み込み一ヶ月が過ぎたエルフ達は完全に寮生活を満喫している。


週に4日は畑仕事2日は狩り1日は完全休暇となるように15名にてローテを組んでいる。

寮長1名副寮長2名が実質リーダーとなり管理を任されていた。


村とは違い五月蝿い補佐役や長老の目もなく、ある意味羽根を伸ばした生活を楽しんでいた。


肉は魔物の肉があるし麦や野菜等は使い放題、見たことのない調味料を堪能し、魔物の残りを換金して新開拓村にてお酒購入にも困らない。


一番の楽しみは風呂場にて長湯であるが、流石に人数がいるのである程度の時間で追い出されるのが不満で、ユウゾーに交渉の結果ユウゾー達が住んでいる母屋と寮の中間地点に新しく大浴場が建設された。


これは母屋に住んでいる者達にも好評で、1日の疲れを癒やす憩いの場となった。

当初は魔道具にてお湯をためていたが、この人数では魔石の消費が馬鹿にならず薪ストーブ方式にユウゾーが改良。


風呂の保温に関しては火魔法の得意な者が火球を使い保温に手助けする事で、夜遅くまで風呂を利用する者が増えてきた。


娯楽の少ない異世界なのでこの点は見て見ぬふりをするユウゾーであった。

広々とした浴場と美味しい食事の味と自由を覚えたエルフ達はまさにこの世の春を満喫していた。




表面上はこの新開拓村において平和な時が過ぎていく。

ギルマスにはそれなりの各国の情報が刻一刻と入り込み、マーラやニーナから伝わってくる。


 うん 俺はあまり各国の情報には疎いからな、あの三人に任せておけば良い。


別件にてギルマスが村の拡大に伴う城壁の追加依頼があった。

この環境の厳しい村に何故か移住希望者が増加しているらしい。


今後を考えて北・東方面に各百米敷地を拡大したいとの事だ。

農作業も一段落していることもあり手伝うことは可能だが、それなりの手間賃はもらうぞ。毎度あり!


ユウゾーとプラハそれに土魔法の得意なエルフ数名にて約一週間にて外壁工事を完了させた。

かなり面積も広がり居住区に余裕が出てきた。

商人たちの出店希望がギルマスに一斉に届いたようだ。


これに関してはライラやミューに一任するしか無い。

厳しい目で宜しくたのむ。


ギルマスとマーラを加えた各関係者が集まり、あーだ こーだと新村作りの構想を練っているようだ。

用があればまた呼ばれるだろうからその時には手伝うぞ 毎度!



そうだ プラハに関して少しトラブルがあった。

プラハが春先に帰ってきた事によりライラ達3人組は喜んでいたが、敷地内で暮らしている第二寮のエルフたちからクレームが発生していた、要は自分達にも回せと言う事だ…。


ライラ達3人組と当初揉めていたが、プラハが男気?を出してそれなりの解決策で対応したらしい。

この問題は自分が関わると碌な結果にならないからな。


 うん 村から出て数年でブラハも逞しくなったんだな。

 無理せず宜しく頼むぞ、この件は力になれずスマン。


新開拓村の第一寮のメンバーは開拓村にそれなりの施設が新しく出来たので、別名は悪所と呼ばれているが・・まぁなんだ、給金も貰っていることだし、たまの気分転換も必要だよな。ほどほどに宜しく…。


 こちらは妻たちのお相手で現状手一杯だからな…。



いつの間にか新開拓村の再構築が開始され、新しい地区には商業・工業地区が主となりそれに関する人々が若干移動となった。


鍛冶師のバンドン達も敷地が倍与えられ建物完成と共に移動する事となる。

バンドンから最近新しい刀が贈呈されてユウゾーの魔法袋に収まっている。


 まぁ 農業が忙しくて剣の腕はそれ程進歩がないが、新しい刀となると嬉しくて朝よく素振りを行うようになったかな。

 


建築ラッシュの再来となり、関係の労働者が沢山村の中に派遣されてケイトの売上も伸びてきたようだ。

ケイトのお願いでもうひと回り大きいキッチンカーを作成し、手伝いのエルフと共に午前と午後に場所を変えて商売を拡大しているようだ。


頑張るのも良いが近頃お勉強が手薄では?

この建築ラッシュが終わるまでは目をつぶる事になった…。


幼いながら商売人の血が騒ぐらしい…。

この世界の現地人は皆逞しい。



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