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右手にサイコガンを持つ男  作者: 西南の風
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137 いざ 冬支度2(第2部完)

申し訳ありませんが、現在確定申告等の前準備にてバタバタしております。 当面執筆活動を中止せねばならない状態です。 丁度区切りにもなりましたので暫く休憩を頂きます。 休憩の間に新たな投稿小説の構想も同時に考えていくつもりです。 新小説の投稿時には宜しくご支援の程、お願い致します。 ではしばしの間失礼致します。  


大森林が雪に包まれていた、本格的な冬到来となる。


外は寒いが家の中は複数の暖炉や薪ストーブが暖かく室内を保っている。


「お兄ちゃん お手伝いはない?」


この数日の吹雪で屋台販売も出来ずにケイトは暇を持て余していた。


「うーん べつにないぞ、のんびりしていればいいさ」


出掛ける冒険者の数も随分減ってきた、魔物も動きは少ないし第一この雪では魔物を探す冒険者も動きにくく皆が天候が落ち着くのを待っていた。


「もう お母さんと同じことを言うのだから」


ケイトは少し拗ねて妻達にも同じ質問をして廻る、されど妻達の返事もユウゾーと同じくこんな日はのんびり過ごせば良いとの答えが返ってくる。


ケイトは赤ん坊の様子を見てくると部屋を出ていく、確か今日はニーナが子供を見ている筈だから話し相手になれば良いかとユウゾーは苦笑いを浮かべる。



「うー 寒い、外は冷え込んでいるぞ」


カリナ達が敷地内の見回りを終わらせストーブの前に座り込む。


「ご苦労さま 何も変わりなしですか?」


「ああ この吹雪では魔物も歩き回らないだろうな」


温かいお茶をライラが見廻組に差し出した、それを受け取り美味しそうに飲み始める。


「おんしつはうす のストーブにも薪を焚べてきたからな」


「おう 済まないな、助かるよ」


「ふむ ならば雪見酒と洒落込むかな」


マーラが酒の瓶を片手に玄関に向かうと、付き合うとアーシャとカリナが立ち上がる。

三人が笑いながら酒のさかなを見繕い温室ハウスに向い出す。


「近頃よく おんしつはうす で酒盛りしてますね」


ライラが呆れたように誰ともなく呟く。


「はは 何故かあのハウス内がお気に入りなんだぞ」


ミューとミーアがお菓子をつまみながら笑って語る。




「おうおう 外は寒いがこのハウス内は暖かくて何故か和むな」


「そうだな 吹雪の景色を見ながらの酒も良いものだ」


三人は思い思いに吹雪の景色を見ながら酒を飲んでいる。


「そう言えばこの間のギルマスからの相談はその後どうなったのだ?」


4・5日前にマーラ達を訪ねてギルマスが訪問してきた、ギルマスを煙たがっている本部のある者がこの所また動きがあるようで、来春雪解けを待ちギルマスが直接本部へ赴きそれなりの釘を刺して来ると腹を決めたようだ。


その際開拓村のダンカン氏が臨時にこの新開拓村に派遣予定になる、その彼のフォロー役にマーラが引き受けてくれと依頼があった。


ユウゾーに相談した結果 ギルマスの依頼ならばマーラの好きなようにすれば良いと笑って承諾された背景がある。


「うむ 返事はこの吹雪が収まった後に正式に受けても良いと言うつもりだ」


「あの ギルマスが直々に乗り込むなら一悶着ありそうだな」


「そうだな 上手く行けばよいが…」


三名はグラスを片手に外の冬景色を眺めながら語り合う。





「いってきまーす」


翌日降り続いた雪も小休止状態となり、ケイトと直営店の開店準備に向かうミューが積雪対策を終えたミニカーに乘り新開拓村に移動する。


「滑りやすいから気をつけてな」


タイヤもどきにチェーンを取り付けられたミニカーは意外と安定した走行でトロトロと進んでいく。

昨夜吹雪のおさまりを気づいていたケイトが、朝早くから母娘で仕込み作業をしているのをユウゾーが見かねて走行に安全なように積雪対策を行ったのだ。


ここらの森はせいぜい20センチ程度の積雪なので、無理しなければ問題ないと判断した。

今日は場合によっては薄日も期待できる、ユウゾーたちも数日ぶりに野外活動を開始する。


そうは言っても一面雪景色な為に主な仕事は外壁が異常ないかの入念な点検と、薪割りにて予備の薪を出来るだけ作っておく事がメインになる。


外壁点検になるので敷地外に出ての作業になる、ユウゾーが確認する間周りの警戒に2名の妻達が油断なく見張っている。


突然ミーアがサイコガンを発射した、白い雪に魔物の赤い血が飛び散る。

倒した魔物を回収して戻ってきた。


「一角兎が元気だ、もうこれで3体目だ」


雪がおさまり食べ物を探しに出てきたのだろう、目の良いエルフに発見されて夕食のメニューに有り難く手を合わせる事になった。


「大物は少なくなったが、一角兎は何故か増えた気がするな」


アーシャがミーアと頷きあう、恐らく一角兎を食用としていた魔物が少なくなり、その影響で数が増加したのだろう。

いずれにせよ森の恵みとして無駄にせず頂くことにしよう。

余ればケイトの野菜スープに利用されるだけだ。


外壁はほとんど異常なく、簡単な補強を数ヶ所行い家に引き上げる。

さて 昼からは薪割りだとユウゾーは大きく背伸びをした。




「ただいまー」


昼少し過ぎにケイトはスープを売り切り帰ってきた。

元気娘は今では街の人気者だ、冒険者達も久しぶりの再開を待ち望んでいた。

暖かくボリューム満点の野菜スープを食して、皆が西門から森に向かっていく。


昼近くには近所の住民が野菜スープを持参した鍋に入れてもらう姿も見られる。

この冬に野菜と根野菜が豊富に入り味付けは高級な香辛料が入っている食材はとても貴重な存在なのだ、直営店の裏にある支援エルフ達の寮生も楽しみに買いに来る。


食事の肉関係と漬物はユウゾーからの支援で十分に足りているが、ケイトの野菜スープは特別な味として皆が数日に一回は買いに訪れている。


いつだか食堂の店主が噂を聞きつけ試しに購入して食したが、


「む 無理だ、こんな値段で作れる品ではない」


と最後は頭を抱えて落ち込んでいた。

売上を折半して金子を受け取ったケイトは明日も頑張ると胸を張った。




昼間とはいえ外での薪割りはいつの間にか体が冷え込んでくる、時々温室内に入り込んでかいた汗を乾かしながらの作業となる。


「おっ そろそろ葉物が収穫出来るかな」


温室内で頑張って成長している野菜を眺めながらユウゾーは嬉しそうに目を細める。

ミーアがストーブの上に乗せてあるヤカンから暖かいお茶を入れてくれた。


「しかし 冬にこのような葉物が食べられるとは有り難いな」


自分もお茶を飲みながらユウゾーに感謝する、冬は塩での漬物風な野菜しか食せないのが普通だからだ。


「うむ 今年色々試して、来年は大きな温室を作りたいからな」


「後で人参とほうれん草もどきを引き抜いて帰ろう」


多品種少数で今回は植えてある。それぞれの成長を確認して来年につなげるのだ。

まだまだ冬本番、春はまだ遠い。


                         [ 第2部完 ]


申し訳ありませんが、現在確定申告等の前準備にてバタバタしております。 当面執筆活動を中止せねばならない状態です。 丁度区切りにもなりましたので暫く休憩を頂きます。 休憩の間に新たな投稿小説の構想も同時に考えていくつもりです。 新小説の投稿時には宜しくご支援の程、お願い致します。 ではしばしの間失礼致します。  

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