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右手にサイコガンを持つ男  作者: 西南の風
121/281

121 いざ 商人達の入村希望


手動ポンプの件でユウゾーはギルマスとマーラに叱られた。


結果的に悪い顔で相談している二人に今後の一切を任せる事にした。

悪いようにはしないという言葉を信じての一任となる。

これ以上ユウゾーもこの件に関わりたくなかったので、良いだろう。



「ごほん さて本題なのだが」


木陰でお茶タイムにより二人の頭も冷えたようだし、話を聞こうか。


「二つの話がある、1つ目はこの地に入りたい商人たちの件だ」


 あっ 伸ばし伸ばしにしていたが、流石に痺れを切らしたのかな?


「ここの城壁の話しがかなりの噂に上がっており、商人達から是非この地に支店を出したいとの陳情が殺到しておる、肝心の決定者のお前が不在で全てギルドにその依頼が集まっておる。お前はどうしたいのだ?」


「・・まず 何の商売をしたいのかとその規模及び派遣の人数の正確なリストが欲しい」


それにより、村作りの規模が変わる。大きさは決まっているので無節操に商人たちを受け入れる余裕がないのだ。


「ふむ 確かに限られた居住空間では冒険者が必要とする職種の者を厳選せねばならぬの」


基本 宿屋に武器・防具店他に日用品取扱店それと食料関係等を第一優先店としたい。

次に冒険者達が回収してきた品の売買に関わる店、運送業の店、食堂等が第二優先かな。

他は優先度は低い為余裕があれば受け入れると言う考えだ。


100m四方程度ならここらが限界だな、皆の住居もつくらねばならないからな。


「出来れば競争の原理からそれぞれ数店舗を可能にしたいが、現段階では無理かな、、」


「店の大きさを職種によって制限すれば可能性はあるぞ」


3名の話合は続く。ある程度の線引によるリスト表作りが急がれる。



「えーと 残り2つ目の話だが、実はこれは頼まれ事だ。さる冒険者パーティが近々解散を検討しているのだが、次の職に移るのを相談を受けてな、ギルドは斡旋所ではないので断ってもよいのだが、彼女等の希望が昔手伝った事がある、、そのお 農業関係が良いと、、それもある地区限定の、、」


何だ?ギルマスの饒舌が急に悪くなったが・・?


「つまり、、彼女等はこの地を希望しておるのだ。え~い カリナ達そこに隠れておらずに出てきて説明せい」


木の影から此方を覗き見しているカリナ達の姿を見つける。

バツが悪そうに3名の冒険者がおずおずとユウゾーの前に出てきた。


「お願いだユウゾー この地に我等三名を置いてもらえないだろうか?実は前から冒険者家業を続けるか話し合っていたのだが、なかなか踏ん切りがつかなかった。それが前回任務でこの地を訪問しひょんな事からユウゾー達の農業を手伝い、自分達に向いているのは大地を相手にすることだと認識したのだ。三人とも田舎に帰っても土地も親もいない、是非ともここで働かせては貰えないだろうか」


 うーん 状況は分かったがどうするか…隣のマーラと顔を見合わせた。


「ここに住むとなれば皆の同意が必要となるな、一晩時間をもらわねば、、」


宜しく検討をお願いしたい と三名は頭を下げて退去していく。


「ごほん こういう話しはわしも苦手でな。あの三名の人柄は保証できるが、どれほどこの村に貢献出来るかは不明だ。妻達と話合いでダメなら断ってもらって結構だ」


ギルマスもすこし困惑しているようだ。

今夜の妻達との話合いの結果次第だな、、。



その後ギルド建設予定地に戻り、村内の道路や区画整理の打ち合わせに追われる。

門は基本的に南北の2門であるが、ユウゾー達の拠点は西に面している事もあり、ここに小さな通用門を追加で設置する事となった。


これでユウゾー達の日中の動線確保ができた、夜間に関しては南門だけが通常門となる予定になる。


其の夜カリナ達の受け入れに関しての家族会議が開かれる。

妻達は概ね受け入れに好意的であった、前回2週間近くユウゾー達の仕事の手伝いにおいてそれなりの仕事量にテキパキと対応していたのが好印象の理由らしい。


ミューもカリナ達と共にまた仕事が出来る事を喜んでいる。


「よし ならば明日カリナ達の受け入れを承諾する回答を提示するが、誰か異論のある者はいるかな?」


皆が 異議なし と賛同してくれた。カリナ達の受け入れ決定だ。

仕事量はたっぷりある、新しい仲間の参入でより捗るだろう。



翌朝カリナ達に拠点の新しい仲間になる事を認めることを伝えると、3名は大喜びで(はしゃ)ぎ回っていた。


ギルマスはこの日も一日現場の視察と細部の打ち合わせに追われ、明日には護衛の冒険者たちに守られて開拓村に戻っていく予定だ。


カリナ達も一旦帰り引っ越しの準備を終えて戻ってくると報告しにきたので、引っ越しに役立つだろうとユウゾーが各自に新魔法袋を貸し出した。

その袋の容量を聞いて目を丸くして驚いていた。


それを何処かで聞きつけたギルマスがわしにも一つ寄越せと、ユウゾーから無理やり奪っていく。



翌朝皆からの見送りを受けてギルマス一行は開拓村に向けて出発した。


「やれやれ これで少し落ち着いて仕事ができるな」


皆がようやく自分達のペースで動き始める。




「そう言えばマーラ、ギルマスが見本で持ち帰った手動ポンプはどの様に活用するのだ?」


「ああ あれは知り合いの工房に製作可能か確認するらしい」


そうか、あのまま再現は少し難しかろうに。パッキンのゴム系を工夫する必要があるからだ、まぁ何か手こずればまた相談があるだろうとユウゾーは笑っていた。


さぁ 今日は何処から手をつけていくかと溜まった仕事のやりくりを考え出す。




「ユウゾー道幅は此のくらいでよいのか?」


「馬車2台が余裕で擦れ違える位でよいぞ」


南北門を結ぶメイン道路の建設中だ、もう一本東西を通す道を作れば、後は人が歩く裏筋の道造りで完了になる。


区割りが終わればギルドの建物を作るが、これはまだ先の話だ。

簡単な完成図を見ながらあれこれ考えている、ギルドの建設予定地は南門から入って直ぐの右手に決定しているが、道路を挟んで左手は荷の集積場が良いかと思っている。


あと宿屋の位置は少し離れた西門の通りに、、。

意外と完成図を見ながら建物の配置を想像しながら考えるのも楽しいものだ。


各商店はメイン道路に並べよう、、。下水の配置もしっかり考えねば、意外に街作りにはまりだしたユウゾーは図面片手に うんうん 一人で唸りだす。


遠くからそれを眺めている妻達が互いに笑いを必死に堪えていた。



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