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右手にサイコガンを持つ男  作者: 西南の風
117/281

117 いざ 新拠点設立 2


ギルマスは改めてユウゾーの土魔法に感嘆していた。


エルフの土魔法隊は少しの休憩の後に残りの二辺の壁作りを開始した。

ユウゾーは第二辺の壁修正がもう少しで終わる所だ。


「よし 2つ目完了、少し休ませてくれ」


完了と共にまた数名が壁に乗り移り監視体制に入る。

魔法袋から水筒を取り出し出来た壁に背をあずけ座り込む、マナポーションにて魔力の回復に努めているとギルマスが近寄ってきた。


「ご苦労だな よく出来ておるぞこの壁は」


コンコンと拳で壁を叩き完成度の確認をした。


「ははは 何故か土魔法は得意なんだ」


「これほどの物を作るとは、迷い人の力か?」


小声でユウゾーに尋ねる。


「うーん どうだろうか?最初の頃はトイレ用の穴を掘るのが精一杯だったが、、」


ユウゾーはこの世界に来て初めての頃を思い出していた。

魔法が初めて使えて便利さを覚え、繰り返し練習したのが良かったのかと思う。


「いや これ程特化した使い手は普通他の魔法は苦手とするものだが…」


ユウゾーは他の魔法もそれなりに使いこなしているようだ。


「元々 生活魔法しかスキルが無かったからな」


 はい?! 何を言ってる、生活魔法しかスキルがない?!


「現在も特別土魔法のスキルはついてないぞ。さて、次の壁を開始するか」


寄っこらせとユウゾーは立ち上がり第三の壁に取り付いた。


 馬鹿な?! いや嘘など言ってる様子ではない。スキルがないだと・・。


混乱しているギルマスを後にユウゾーは壁に魔力を流し込み始めた。




「ユウゾー 全ての壁が完成だ」


「おう ご苦労さん。少し休んでくれ」


マナポーションをがぶ飲みしながらユウゾーは作業を続けている。

壁の外は相変わらず魔物が闊歩しているが、壁の内は別天地に変わった。オークも何体か現れ壁を攻撃しているがどこ吹く風に壁は受け流している。

それどころか壁の上から安全に銃や弓で駆逐されるだけだ。


 す 凄いな 外は地獄絵だがこの中は、、。


ギルマスを守るために配置している冒険者たちが時たま外の様子を見ようと、壁の上から眺めては他の者に報告している。


「この拠点は是非作って欲しい、冒険稼業がかなり楽になる」


冒険者たちの偽らざる本音であろう。



「よーし これで全て完了!皆ご苦労さん」


ユウゾーの大きな声が聞こえ、それに反応するかのように皆から歓声の大声が響き渡る。


「食事だ、食事の準備を始めるぞ」


昼はもう過ぎてはいるが、食事をせねば力はでてこないと ユウゾーは鼻歌交じりで食事の準備に入る。


「申し訳ないが戦闘食だ、少しの手抜きはゴメン」


大きなテーブルセットを得意の土魔法で作製すると、村の屋台で仕入れた残りをすべて並べる。

黒パンと温かい野菜スープの鍋を火から下ろし、手の空いた者達から食事にしてもらう。


仲間が次々に集まり慌ただしく食べては待機している仲間と交代に警備につく。

夕方までの時間でするべき事を食事に来た仲間にしっかり伝えていく。


これから夕方にかけては砦内の整理だ、森に砦を四方に築いたので砦内は森の中同然な状態。

中央部から木の伐採を行う、これは冒険者たちとエルフの一部が加わり行う。


ある意味暇を持て余している冒険者たちは喜んで参加してくれる。

彼等とエルフに用意してあった切断の魔道具を貸し出し手本を見せていざ鎌倉だ。


最初はこわごわと操作していたが、直ぐに慣れて順調に伐採が進んでいく、夕方までにはかなりの広場が出来そうだ。


土魔法隊はもうひと仕事が待っている、壁の内側にもう一段低い壁を作ってもらう、高さにして2m程度かな?

本来はこの壁に乗って外の魔物を攻撃するのだが、間に合わなかったからな。


人が乗って移動するだけなのでさほど強度は現段階では求めない、二人がすれ違う事の出来る幅の方が優先になる。


残りの者は引き続き魔物対応をお願いする。



夕方までに二重の壁作りが終わり、壁の四隅にユウゾーが昇降用の階段を設置し終えた。

木の伐採も良い感じで進んでいる、切り倒した木をユウゾーが魔法袋に収めて邪魔にならない場所に纏めておく、後日この木を乾燥させて建物作りに活用される。


「おーい 今日の作業は完了だ 食事にするぞ」


ミューが大きな声を張り上げる、ライラとエルフの一人が加わり食事の準備をお願いしていた。




「「「うぉー 腹が減った」」」


食いしん坊達が大きなテーブルに集まってくる、今日一日大変ご苦労さまでした。

明日も引き続き良しなにお願いします。


食いしん坊軍団が見事な食べっぷりを見せて全員草叢に転がっている。

よく働きよく食べてよく寝る、うん これが一番。


食べすぎて苦しそうな者達を横目にユウゾーとマーラそれにギルマスの三人で、砦の壁に登りぐるりと一周しながら外の様子を確認していく。


「おう 昼間倒した魔物を別の魔物がお食事会を開催しているな」


魔石の回収が出来ずに残念だが、お陰で此方の砦の攻撃がほとんど無くなったのは助かる。


「して ユウゾーお前達の拠点はどこに作っていくのだ?」


「新しく道を壁の横に作り道の反対側に、丁度この辺りに広げていこうと思う」


この砦はあくまでギルド達の拠点であり、ユウゾー達は隣接する場所に自分達の拠点を作る予定だ。


「そうか なかなか苦労の多い拠点作りになるな、なにか援助が必要なら遠慮無くわしに連絡せい、出来るだけの助力はする」


ギルマスの言質をとり、ユウゾーは笑いながら頷く。



その後2日間かけて砦内の整理を終えて、その夜にギルドとの最終契約に互いが署名し正式にプロジェクトが進む手配が完了した。


その次の朝にギルマスと護衛の冒険者たちを川岸まで見送り、一行は開拓村に向い帰っていく。

冒険者達が何度も手を振りながら口々に 再開の約束を交わしてくる。


「やれやれ これでようやく落ち着いて拠点作りに精を出せるな」


マーラが今後の予定を尋ねると、ユウゾーは少し考えながら。


「この砦を暫くベースにして進めていく、道が完成するのは来年の春ごろだとギルマスも言っていたし、焦らず我等の拠点作りをすれば良いだろう」


だな とマーラも楽しそうに頷く。


砦内の整理はある程度完了したし、当面は野菜の育成かな。種は各種大量に購入してあるので畑作りが急務だろうな、肉は外で沢山動いているからな?。



皆に集まってもらい今後の方針を伝えていく、


「昼間の半分は拠点作りに後の半分は砦内の畑作り等に注力すれば良いのだな?」


その通りだとユウゾーは皆の疑問に答えていく。

効率的には半分に分かれて作業するのが良いが、少ない人数を分けると危険度が増す可能性が高い、ここは皆が揃って一つの作業を行うのがベストだろう。


この残った16名誰一人怪我をさせてはいけないとユウゾーは心に決めている。


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