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右手にサイコガンを持つ男  作者: 西南の風
112/281

112 いざ 新拠点の話合い


拠点作りの対応策を皆に考えてもらう事にする。

焦る必要はないので次にまた開拓村に帰ってくるまでにある程度意見が纏まれば良い。


アーシャに無理をさせない為に2日ほど宿に泊まりその後エルフ村に行く事に決定。

屋台にて食料の買い込みとギルドにポーションを売却して其の金で最終不足品の購入等を済まし、ユウゾー達はエルフ村へと向かう。


無理をせずに進み四日後に村へ到着した。

門番がユウゾー達を見つけ直様村のオサへと連絡が走る。




「なる程 それは目出度い。安心してこの村にて子を産めば良い、今年は出産ラッシュになりそうで皆も大層喜びに溢れておるからな」


当初ユウゾー達がこんなに早く帰ってくるとは思いもせず、何かあったのかと心配していた村人達も理由がわかると皆が大喜びしてくれた。


一週間ほど村にて過ごしまた出掛けることを説明した。

その間ニーナを呼び久しぶりに全員が家に集合する。


「そうか落ち着く先を見つける旅となるのか」


ニーナが嬉しそうにユウゾーの説明を聞いている。

人族の多い都市近郊ではなく、この森を選んでくれた事も感謝しているようだ。


ユウゾーの説明に依ると開拓村に数日程で行ける場所にて拠点を築き、冒険者達が森の内部にアプローチ出来る施設を建設していく事になる。

当然冒険者ギルドの簡易出張所が出来ると、それに関連した施設も増えていく事が考えられる。


施設が増えれば人も増えるその増えた人と最終的にどの様な関わりを持って接していくのかが今後の問題になっていく。


「片手間に冒険者相手に商売をしても良いかなと思っている」


「商売か?なれど皆素人だぞ」


ニーナが少し驚いたような顔でユウゾーに尋ねる。


「無論その点は考えている、無理のない事から始める」


ユウゾーは手広く商いをする気はない、冒険者にとって必要なポーション類やそこそこの剣や防具、場合によっては中古品の魔法袋を並べていくつもりだ。


「・・中古の魔法袋を、何故だ?」


何故新品を売らないのかとマーラが疑問に感じたのだ。


「無論新品を売っても良いが、まず買い手がいないだろう。この大森林に来る冒険者達は大多数が一旗上げようと流れてきた者が多い、正直言えば皆金がない。そんな冒険者達に買いやすい価格となれば程度の良い中古品の方がいい。冒険者たちに安く提供したい」


新品を安く売る事もユウゾーなら可能だが、そんな噂が広まれば転売で儲けようとする輩が必ず出てくる筈だ、いらぬイザコザに巻き込まれたくない。


「それに魔法袋が売れれば他の商品も売れる可能性がある。ワンタッチテントや簡易ベット等は便利だが嵩張る為に持ち運びには不向きだが、魔法袋があれば問題がなくなるだろう」


「えあーまっと もあるぞ」


ミューがお気に入りの品を忘れるなとばかり声を上げる。

皆が笑いながら同意する。


「うん確かに、そんな商品群だから一日中店を出す必要もないだろう。当面手の空いた数時間だけ店を開けば良いと考えている。もしそれなりの人気になれば一人専属で店をお願いするかもしれないが、まぁそこまで流行るとは思えない」


最悪急ぎで品が欲しければユウゾー達を探せばよいだけの話だ。


「話しが少し横道にズレたようだ、元に戻してどうギルドとつながりを持つかだが、、、」


「単純に年いくらかの金額をもらう方式では?」


「それも考えたが、建物の管理整備で手が掛かるものもどうかと、それならば将来を見込んで道路の整備をギルドに任せる事と店を作る時は許可制にしたい」


道の整備により物量の確保と移動の便利性が向上する、しかし未開の地に道を開くのはそれなりの手間と金額が発生する。

最悪ギルドが撤退しても道が残れば開拓村に欲しい物を買い出しに行ける。


どれほど拠点が大きくなるか不明だが、無秩序に店や建物が並ぶのは後々問題になる。

最初からこの点も押さえておいた方がよいと判断した。


「ずいぶん欲のない提案になっているが、ユウゾーがそれで良いと言うなら構わんぞ」


「当初は色々考えたが、下手にギルドから支援を貰うと後々良くないケースも考えられる」


「・・ギルドの紐付きになると」


「マーラ読みが深いな、その通りだ。将来嫌な事も受け入れざる事も考えられる」


「あのギルマスがそんな事を考えるとは思えないが・・」


「いやニーナ そのもっと上が問題なんだ」


ギルマスと本部の一部との確執を皆に説明した。

何故にユウゾーが最低限の支援に拘っているのか皆が納得したようだ。


「面倒だな 断わる手は無いのだろうか?」


「無論ある。だがミーナ 近くにギルドの施設が出来る利益も考えて欲しい」


ギルドが出来る事により第一に買い出しの手間が省けるし、何かあれば冒険者たちの人手もいる、彼等に対して先程みたいな商売も考えられる。


穀物・野菜等が順調に育てば他から運んでくるより現地で購入しようとする店も当然多くなるだろう。

もう一つ考えているのはエルフ達の増員による人手対策だ。

可能であれば各村から定期的に出稼ぎ要員を確保して、この村の初期の発展に重要な位置を固めてしまう事も考えている。


此の村で永住してもよいが単なる季節要員で金を稼いで各村の不足品対策に備えることも可能になる。

その拠点がどれほど大きくなるかは今後次第だが、ユウゾーの関係者が多いほどギルドの力は弱まる。


「つまり、今後うまくいけば各村共暮らしが向上する?」


「店数規模にもよるが可能性はある、但しそれなりの教育が必要になる。其の点はライラの出番だ」


ライラは事務系においてもかなり優秀な事は開拓村では知られている事実だ。

ライラの才能を借りれば各店の従業員教育も問題あるまい。


「はい お任せ下さい。鍛え上げてみせます」


その節には宜しくですライラ。


「後はキリアーナとの個別交渉となるのだな」


「うむ 何点か細かい事はギルマスに要望が必要だが、まずは拠点の確保と開拓の準備になる」


「場所が決まれば第三村に開拓の支援を要請出来るぞ」


「その点はオサと話し合ってみる、無論それなりの手当を提供するつもりだ」


明日にでも村のオサに今後の打ち合わせをしてみよう。




「なる程 この村を出て新しい村を作るとな。其れは少し寂しくなるな、だが新しくエルフの影響下にある村が増えるのは嬉しい事だ。見返りは必要ないぞ、今回も山程の支援物質に村の皆がそれは喜んでおるからの、食料は無論生活物資がこれほど充実したのは過去には無い事だ。開拓時には村から手伝いに派遣するので遠慮なく連絡してくれ」


村のオサからも力強い約束を手に入れて、ユウゾー達は夢の新居作りに更に一歩進んだ。


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