『金スキル』
「はははははは、やった!ついに来た!《銀》の魔法のスキルが手に入った!4年かかったが、これで俺は また一歩 世界で一番の富豪に近づくだろう。嫌いだった自分の名前が異世界でこれほど役に立つとは、現実世界の両親に感謝しないとな。はははははは。」
思えば、4年前 俺は ある鉄工所の3代目でまだ見習いの身だった。作業中に鉄材を吊るしてある鎖が切れ その下敷きになって死んでしまった。
死んでしまった俺は、なぜだか意識が遠のく中、2択を迫られたのだ。
『もし、もし、キラリ様。よく聞いてください。あなたは、このまま、死んで現世の輪廻転生に身を委ねるか。それとも、このままの自分で異世界の住人となるか?どういたしますか?』
何の事か分からなかったが、声は はっきりと聞こえていた。事故の痛みは無く、このまま落ちて行くかと思ったが、このままではイケないと思い俺は後者を選んだ。
「消えたくない。まだ俺のままで生きたい。」
『かしこまりました。それではチュートリアルを開始します。よろしいですね。』
冗談みたいだった。
『あなたの名前は、釜錨 金銀様ですね。これから、あなたが行く異世界では あなたは あなたの名前だけに関係する魔法が使えます。』
「名前の魔法?」
『そうです。あなたの名前を分けますと、父、金、金、苗、金、金、艮、となります。その偏、つくりを使った文字があなたの使える魔法となります。あなたの名前ですと、約260の魔法が使える計算となりますが、まったく役に立たないスキル魔法(漢字)もありますので ご注意ください。』
「よく、意味が解らないのですが。」
『仮にあなたのレベルが上がり、苗の漢字から猫と言う魔法のスキル(漢字)を覚えたとしましょう。あなたが猫を唱えると猫を操ったり、魔法で一時的に猫を出したり、猫に擬態したりできます。または、父の漢字から斧の魔法を唱えたとしましょう。すると一時的ですが魔法で作られた斧が出てきます。猫を操ったり擬態したり、斧の能力や その物が出てる時間は、レベルやマジックポイント(MP)で 調整できますしレベルが低いと覚えていても上手に扱えません。レベルが高いと猫の魔法も、操る擬態するなど複数できます。次です。例ですがレベル1で斧を10分出したい場合MPを10必要とします。レベル10で同じ10分出す場合もMP10必要となります。レベルが上がっても消費するMP、時間は変わりません。まぁ、魔法の質は変わりますが。各魔法によって使用MP 発動時間は違います。先ほどもいったようにMPを大量に使って時間を伸ばす事はできます。
少し残酷な話ですが、魔法で出した猫が殺された場合や斧が使用不可とキラリ様が判断した場合 時間内であっても魔法の効力は消えて無くなります。その際、10分以下なら経験値は入りません。MPの使う量は気をつけてください。MPは30分で1回復します。それと回復薬や睡眠でも回復いたします。』
「なるほど。それから?」
『はい。次にレベルの上げ方ですが、魔法を10分使用したとしましょう。すると経験値は1ポイント(P)貰えます。どんなに強力なMPを消費する魔法も同じです。10分で1Pです。』
「たった、それだけ?」
『はい。そして、レベルを1上げるのに必要な経験値は100000Pです。10分以内で消えてしまう魔法はカウントされませんので。レベルを上げる魔法は よく考えてお使いください。』
「なんだって?」
すぐには、計算できないがLv1上げるだけでも、膨大な時間が必要だし、10分以内の魔法なんてきっと沢山あるはずだ。
『キラリ様は、珍しい お名前ですね。』
「あぁ、親が面白半分にキラキラネームと全てに金を入れやがった。」
『それは、それは、ご両親様に感謝しないとなりませんね。』
「どういうこと?」
『次に説明いたしますのは、名前に同じ偏やつくりがある方のみに ご案内させていただいております。』
「他の人も この異世界にいるのか?」
『はい。多数いらっしゃいます。続けてよろしいでしょうか?』
「あぁ、お願いします。」
『名前に同じ偏やつくりがある方は、経験値ボーナスが入ります。もし名前が田畑 花子様なら田の魔法を使った場合 田が2つありますので、経験値が2倍になります。』
「じゃぁ、俺は金が4つあるから 4倍?」
『いいえ、16倍。4乗となります。』
「本当か!?」
『はい。嘘は申しません。』
「16倍か・・・よし」
『次の説明に参ります。最初に渡される総MPは名前の総画数となります。キラリ様の場合ですと48Pが初めから貰えます。初めての魔法や、レベルが上がった時に覚えるスキル魔法はランダムとなります。新たに覚えた魔法の画数が総MPに追加されます。もし、最初に覚えたのが猫なら、48P+11画で59Pが始まりです。』
「選べないのか。」
『はい。そして、最後の説明ですが、偏、つくりの漢字は、誰も覚えることができませんので、ご注意ください。』
「なんだって!金を覚えられないのか?」
『はい。キラリ様も金を覚えることはできません。もし、仮に金を覚えたとしても、魔法でございます。時間が経つと消えてしまいます。フフ。』
「消える?・・・そっか。よし、わかった。」
『キラリ様 大丈夫でしょうか?』
「あぁ。大丈夫。」
『ご説明は以上となります。細かい事は転生先でご確認ください。それでは、キラリ様 異世界への転生を楽しんでくださいませ。よい画数がキラリ様に訪れますよう。』
それから、異世界での暮らしが始まった。
異世界といっても、まるで中世のヨーロッパの雰囲気だった。
きっと、この世界を作った神は、日本人で中世ヨーロッパが好きなのだろう。
言葉や文字は全て日本語だし、現世から来た人間も大体わかった。
名前に翻弄される異世界か・・・・
俺は あえて偽名で この異世界を生きることにした。本名が分かってしまっては不利になってしまうからな。
あれから、4年やっと銀のスキルが手に入った。
「やったぞ。これで、銀を生成できる。俺の今のレベルとMPを使えば大量の銀を生成できるはずだ。それで本物の金を購入する。金が作れないと言われた時はどうしようと思ったが直ぐに銀のほうが いいと気付いたよ。金で金を買う馬鹿などいやしない。偽銀で、金を買うのが1番さ。・・・あと、ほしいスキルは《鏖》だな。」
読んで頂き誠にありがとうございます。
今日のTwitterトレンド『金スキル』です。
今回で、初投稿から毎日投稿して50日
50作品となりました~(/▽\)♪
自分に金上げたいよw
それでは、またお会いいたしましょう。(._.)ペッコ