お決まりの?
ざわざわと周りがうるさい。少しイラつきながら目を覚ますと石造りの変な部屋だった。
「は?」
あれ、ベッドじゃないし。石畳に布団無し、なんて風邪ひくわ!!
って、いかんいかん現実逃避している場合じゃない。
うん、私、いったん落ち着こう。
昨日は恒例のスキー合宿にきて、ちょっと滑ってコテージでみんなと一緒に休んだ。
コテージは同じクラス4人で1部屋。私・きゃな・さっつん・宮根さん。
私・きゃな・さっつんはよくお昼とかも一緒に食べる仲。宮根さんはさっつんと同じ部活だからさっつんが誘った。
まあ、ちょっとは話してたけど、まだ明日も滑るし移動で疲れてたし、スマホ禁止だし日付が変わる前に休んだよね。
起き上がりながら周りを見渡せば 同じコテージに泊まっていた友人も一緒だ。
なんか薄暗いと思ったら明かりが壁際の松明のみって・・・。
「みーちゃん、これって夢かな?」
「嫌にリアルな夢だな。」
同じく周りを見渡していた、きゃなが恐る恐るっていう感じで話しかけてきた。
まだ横になっている人もいるけど、大多数の人は起き上がっていた。
「ようこそ参られた。別室にて暖かい物を用意してありますので、どうぞこちらへお越しください。」
ひときわ響き渡るように話し出した異世界人(?)の声。
「目覚められていらっしゃらない方々は目を覚まし次第ご案内いたします。」
もうちょっと若い人も声をかけてきた。
そんなこと言われても、友人残して移動するのはなんかねぇ・・・。
きゃなと二人で、どうする?と話していると。さっつんが話しかけてきた。
「ここ寒いし、暖かい部屋へ行かない?」
相談している間に宮根さんも目覚めたようだ。
とりあえず、移動することにした。