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俺が美少女女子大生に恋をしたら幼馴染からの拷問が始まった件について  作者: 男の娘はブラジャーをしているのだろうか?
第一章 覚醒と封印
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14 『父=不憫』


「そういえば、何しに来たの?」


「ってホントにライン見てなかったのかよ。」


「細かいことはいいじゃん。で、なんで?」


 怒ったように言うので追及できない。ホントに俺のことを嫌っているんじゃなかったら何で未読だったんだろ?


「勉強教えてやるって言ったろ。教えに来たの。」

「あ、そうなんだ。えっと、その~」


 凛は、珍しく言いづらそうにして、ミディアムヘアの茶色の髪を愛撫している。


「うん?どうした?」

「あの、えっと、だからありがと!教えに来てくれて。」


 言いづらそうにした挙句、感謝の気持ちを伝えてきた。


「おう。」



トントン


 扉を叩いた音がした後、紗栄子さんが黒色のお盆にお茶とショートケーキを乗せて入ってきた。

「はい、お茶とお菓子。」

「ありがとう、お母さん。」

 

 凛と共に目礼をする。

 

「はあ、それにしても一心不乱に料理の練習なんてしていたから何事かと心配していたら、まさか一七にもなる娘が、幼馴染と喧嘩して気まずくてそれを忘れるために料理に没頭していただけだったなんて。」

 

わざとらしい溜息と共に紗栄子さんが声をかける。


「う、うるさいなぁ。とりあえず、健太郎が帰ったらその話は聞いてあげるからとりあえず出てって。」


 そう言ってお母さんの背中を押して凛は紗栄子さんを部屋から追い出そうとする。


「はい、はい。じゃあ、けんたろー君。めんどくさい子だけどよろしくね~。」

 紗栄子さんは不器用なウィンクをして去っていく。


バタン。


 そして、密室。

 ()()()()()()()()とはいえ二人共に好意を伝えあった後だから滅茶苦茶気まずい。

 凛の部屋は三年前に入ったときよりも少しだけ女の子らしいピンクとか白とかのものが増えた気がする。


「…じゃあ、勉強やるか。」

「うん。」


 一時間後


 飲み物を取りに一階に降りていくと、机の上に白いメモ用紙があった。

 メモ用紙にはこんな内容が残されていた。


“お父さんを叩き起こしてデートに行ってきます。二人っきりにしてあげる私に感謝するのだぞ。凛たちも頑張ってね。一七時までは帰らないつもりだから何をしていても大丈夫よ。くれぐれもあえぎ過ぎて近所迷惑にはならないようにね。”


そんなことが書かれてあった。

だから俺たちそういうのじゃないのに。

大体、付き合ってもいない高校生の男女を密室に置いておくってどうなの?しかも、下ネタまで書いてやがるし。

そして、そのためにせっかくの休みの日に起こされたお父さんが可哀想。

どうすればいいか分からなくて凛の方をみる。

すると同じように困った顔をする凛と眼があってしまう。


「えっと、どうする?スタバでも行くか?」

流石に二人きりの家に密室はまずいと思って提案してみた。

「別にいいもん。健太郎のことは信頼しているし。ただ、エッチなことはめっだからね。」

俺の鼻先に手を当てながら子供を躾けるように凜が言う。


かわええ。


エッチはダメだけど萌えるのはいいよね?


14.5 幼馴染=ホラー


ふふん。何度考えても嬉しいなぁ。

私は、隣にいるけんたろーの方をみる。


けんたろーが、


「大好き!一緒にいたい。」


 だって。

 両想いになれたんだよね?よかったぁ。

 冷静になってみたら、婚約はもしかしたら勘違いかもしれないと思っている。

 けど、両想いは事実だと思う。だってあれだけ言われたんだもん。


 つまりこの二人きりの密室で、キスされちゃうかもしれない。両想いの二人が密室だったらそのくらいはリアルにあり得るはずだ。

 それだけでなく、あんなことやこんなことだってされちゃうかも。きゃー。まだ、心の準備ができていないよー。嬉しいけど、心臓はバクバクだし、顔もほてってきたし、色々な身体の反応に応対しきれない。今までは一緒に居てもここまでじゃなかったのに。


両想いの力恐るべし。


 よし、緊張するから別のことを考えよう。


 そこで私は気付いた。


 あっ!そう言えば、両想いになったってことは、盗聴と盗撮もOKになったんだよね?


 両想いなのに美女と噂の千里さんと毎週のように二人きりで会って密室で色々やっているんだから当然いいよね?

 早速、あしたにでも、近所の電気屋で調達しなきゃね。


“浮気したらどうなっているか、分かっているよね?”


 私は、隣にいるけんたろーの手の甲をさすりながら聞こえないようにそう口ずさんだ。けんたろーは戸惑っているようだが気にしない。だって、両想いなんだから。


 あ、それともう一つだけ、

“もしも万が一にもあれだけのことを言っておいて両想いじゃなかったら二人で一緒に永遠に眠ろうね。”

 もう一度、今度は優しく優しくいたわるようにけんたろーの手を撫でた。

 けんたろーは私の突然の行動に困惑しっぱなしだった。


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