8/46
第08話 「クローン」
売れっ子アイドルのミミは多忙で身体がいくつあっても足りないとつぶやいた。
それを見たミミの大ファンの天才科学者が、彼女にクローン製造機をプレゼントした。
それは土くれを原料にし、無数にミミの複製を作ってくれる機械だった。
ミミは大喜びでその機械を事務所に設置し、次々と自分の複製を生み出した。
やがてアイドルのミミの人気がなくなると、事務所はクローンを一般人に売り出した。
クローン人間ミミは大ヒット商品となったがすぐに供給過多となり、無断で捨てられるノラミミが社会問題となった。
ミミ達は愛玩用ペット、ダッチワイフ、小間使い、奴隷、人体実験、臓器移植と何でもやらされ、迫害された。
遂に怒った数万人のミミ達が一斉蜂起し人間に襲い掛かった。
ミミ達は事務所を爆破し、クローン製造機は地中深く埋まってしまった。
しかし、クローン製造機は周囲の土を原料に無限にクローン人間を生み出し、誰にも止めることができなくなった。
それから数世紀後、月に脱出できたわずかな人々が空を見上げた。
地球は、無数に増殖したミミの塊となっていた。




