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第39話 「ラジオ」
私、ハリー・フーディーニは、1874年、ハンガリーで生まれ、アメリカで「脱出王」「不死身のマジシャン」の異名を取った稀代の奇術師だ。
私は脱出術を得意とし、留置場、刑務所、凍った運河、水を満たしたミルク缶、水槽、あらゆる場所から脱出を行った。
一方、私は亡くなった母親と話をしたくて、ずっと本物の霊能力者を探し続けた。
だが、どの霊能力者もインチキで、失望した私は、超能力や心霊術のいかさまを暴露するサイキックハンターとしても活躍した。
1926年、楽屋に訪れた大学生にいきなり腹部を殴られ、それが原因で私は死亡した。
愚かな大学生は、私が本物の不死身だと信じて、試してみたのだった。
「――以上が、私、ハリー・フーディーニの生涯さ。私が本物だと信じてくれるかい?ベス!」
ラジオから聞こえてくるハリーの声を聴き、未亡人のベスは涙を流した。
「間違いありません!この声は亡くなった夫、ハリーの声ですわ!ぜひとも、この死者の声が聴ける霊界ラジオを売って下さい。」
腹話術を使ってハリーの声色を出していたインチキ霊媒師はほくそ笑んだ。




