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第37話 「夢」
不思議な夢を見た。
白衣のみすぼらしい老人が、必死に私に話しかけてくる夢だ。
「わしは40年後のお前自身じゃ。わしは生涯を費やしてタイムマシーンを完成させた。時間を超えて、過去の自分の脳に情報を送れるという優れものじゃ」
「えっ!?ということは…」
「そうじゃ!今、お前が見ている夢は、ただの夢ではない!40年後の世界から、わしがタイムマシーンで過去の自分の脳に送った映像じゃ」
「あなたは40年後の私なんですね。それで一体なんの用ですか?」
「実はのう、わしはタイムマシーンの開発のために全財産を使い、一文無しなんじゃ。これから毎晩、わしはお前の脳に未来世界の情報を送ってやる。宝くじの当選番号、競馬の勝ち馬、株式情報……。わしの送る未来の情報を使って、お前は巨万の富を手に入れるのじゃ!わしとお前の未来を変えるのじゃ!」
私は心療内科の診察を受けに行った。
「目を覚ますと内容は忘れているのですが、毎晩、何か変な夢を見て困っています」
「睡眠導入剤を処方しましょう。これを飲めば、夢も見ないでぐっすりと眠れますよ」




