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第32話 「ミステリー作家」
人気のミステリー作家、手塚治美は実は十年ほど未来からタイムスリップしてきた少女だった。
タイムスリップした時に治美はたまたまタブレットPCを持っていた。
そこには今後十年の間に大ヒットする数々の電子図書が保存されていたのだ。
治美は生活費を稼ぐため、タブレットPCの中の小説を自分が書いたことにして発表した。
新作を発表するたびにテーマとジャンルと文体が新しくなり、読者は度肝を抜かれた。
治美のパクった小説はどれも大ヒットをし、彼女はミステリーの女王とよばれた。
もちろん本当の作者はどこかに存在し、書いている途中の小説もあっただろうが早いもの勝ちだ。
だが、ある暗殺事件のミステリーを発表すると、治美は警察に捕まった。
「だから、あれはただの小説です。犯人は私じゃありません!」
「嘘つけ!お前がこの前発表した小説には、暗殺犯しか知らない事件の詳細が書かれていた。まだ誰も知らない機密事項だぞ!」
「私ニュース見ないから、まさか総理大臣暗殺事件のノンフィクション作品だったとは知らなかったんです!」




