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第30話 「本棚」
森の中、道に迷った私は偶然見つけた荒れ屋敷に宿泊した。
真っ暗な屋敷の中を燭台を持ってうろついていると、アンティークな本棚が置かれた書斎を見つけた。
本棚に並んだ本を見ると持ち主の性格がわかるという。
本棚にはオカルト関連の本ばかり並んでいて私は薄気味悪くなった。
私は何か気になり一冊の本を抜き取って見ると、それは本ではなくこの屋敷の主の日記帳だった。
私は机に座って日記帳を読みだした。
屋敷の主は何かを召喚しようとしていたようだ。
「夜中に本棚の奥からアイツの視線を感じる。
私は素知らぬ振りをしてこの日記を書いている。
ああ!神様、私が愚かでした!
明日、明るくなったら屋敷から逃」
日記はここで終わっていた。
屋敷の主は日記を書いている途中で襲われたのだ。
その時、本棚の日記帳を抜いた跡の暗がりに気配を感じた。
何かが私を見つめている。
私は平静を装い、気づいていない振りをした。
書斎から逃げ出したかったが、日記帳を本棚に戻さずに出て行くのは不自然だ。
だが、再び本棚に近づく勇気が私にはなかった。
私はどうすることもできずに神に祈った。
私は気がついてしまった。
この日記帳を本棚に戻したのは誰だ?




