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第26話 「ハラスメント」
私はパワハラとセクハラで部下に訴えられ、他部署に左遷された。
今度訴えられるとクビになるので私は大人しく自重した。
そんな私を部下たちは毎日ハラスメントで訴えてきた。
「冷房をつけないで!上司が部屋の温度設定をする行為はエアーハラスメントですよ」
「昼休みにカップ麺をすすらないで!ヌードルハラスメントだ」
「あなたのスマホの電波で耳鳴りがする!エレクトロニックハラスメントだ」
「パソコンができないとバカにしたな!テクノロジーハラスメントだ!」
「僕がやる気がないのに楽しく働こうと励ましたな!仕事が好きではない相手に対するエンジョイハラスメントだ」
私は堪り兼ねて「必要以上にハラスメントだと主張する行為はハラスメントハラスメントだ」と言い返した。
「コミュニケーションが苦手な部下に対して必要以上に話かける行為はコミュニケーションハラスメントだ」
そう言って部下たちは私と口を利かなくなった。
私はようやく気が付いた。
この部署への異動は、会社がリストラ対象者に対して嫌がらせをして自主退職に追い込む行為、リストラハラスメントだったのだ。




