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第24話 「年賀状」
十二歳。私は生まれた年と同じ十二支の年を迎えた。
私は年女になったのだ。
私は年賀状に自分の干支の動物の絵を色鉛筆で描いた。
そして、好きだった幼馴染の男の子にその年賀状を出した。
二十四歳。その次の年女の年には、当時大ヒットした家庭用の簡易孔版印刷器を購入した。
そして、幼馴染の男の子と一緒に、インクまみれになりながら一枚ずつ年賀状にカラー印刷をした。
三十六歳。インクリボン式のワープロ専用機を購入した。
夫となった幼馴染と一緒に図形を組み合わせて干支の動物の絵を印刷した。
四十八歳。子供と一緒にパソコンと年賀状ソフトを使い、干支の動物の写真をカラー印刷した。
六十歳。ネットに住所録データをアップロードし、後は印刷業者に全てお任せ、投函までしてもらった。
七十二歳。夫も亡くなり、年賀状を出す相手も減ったので「あけおめメール」で年賀状の代わりとした。
八十四歳。孫と一緒に年始の挨拶動画をネットで配信した。
九十六歳。年賀郵便制度が中止となった。私はホームで寝たきりなので、何が起きているのかわからない。
仕方がないので元日の朝、いつも世話をしてくれている介護ロボットに年始の挨拶をした。
「明けましておめでとう」




