10/46
第10話 「交換日記」
「何よ、これ!?あんた、二股かけていたのね!?」
部屋に入ってくるなり、女は男にスマホを突きつけた。
それはWeb小説の投稿サイトだった。
エッセイ、連載中、長編。
タイトル「交換日記」。
『みんなに私たちのことを知ってもらいたい!Web小説の投稿サイトに登録したので、二人で交互に日記を書いて投稿します!』
『私たちの日記を読んでくれる人が増えてきた。嬉しい!毎日、更新しよう!』
『今日も彼が日記を書いてくれない。仕方ない。私が代わって、今日の彼の一日を書いてあげるわ。彼のことなら、何だって知っているもの』
『――彼に別の女ができた。でも、大丈夫!彼は私の物よ!』
スマホに表示された日記を読み進めるうちに、男の顔が青ざめていった。
日記に出てくる男の名前も住所も彼のものだったのだ。
「こ、こんな女、知らないよ!交換日記なんかしたことない!」
「でも五年も前から毎日投稿されているのよ!」
と、また新しく日記が更新された。
『彼が新しい女と私たちの交換日記のことでケンカしている。ザマーミロ!』




