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帝国学院編  5タップ-2  作者: パーナンダ
帝国学院入学編
99/204

99 分裂行進(マーチングドリル)

 教育大隊第1中隊が去って、無音になった。しかし、次の瞬間遠くから新しいマーチングドラムに合わせ軍靴の音が聞こえてくる。第1中隊と同じ編成に略礼装に略帽、同じ服装だが右手に赤いスカーフを巻いている。


 敬礼ゾーンに全体が入り停止する。赤いスカーフを左手でするりと解くと高く腕を伸ばしクルクルと回転し腕を交差して互いに場所を入れ換え赤い炎が燃えているようなステップを踏む。何回もの回転と入れ替わりで初めの位置に戻った時スネアのコールサインが激しく停止を求める。スネアの音に合わせ、全体が右向け右で連隊長に正対し敬礼。左向け左で進行方向に向き直る。スネアの合図で何事もなかったように赤い中隊旗に先導されて歩き出す。五人のドラムチームは、先着のドラムチームを挟んで第1ドラムチームの反対に整列する。


 間髪入れず第4中隊が入場してくる。編成、服装は同じだが白いネッカチーフをしている。敬礼開始ラインに入った横列から白いネッカチーフを素早く外し両手で頭上に掲げながら歩いゆく。スネアの合図で全体が止まり前者のチーフの後ろ二隅と自身の前の二隅を摘まみ持ち一枚の長い布を作り上げていく。上から見る者には長い大きな白い布、いや雲が眼前に広がった。ウェーブが起こり雲が流れていく。やがて雲は四分五裂して花弁の様に回転し始め、いつの間にか姿を消した。コールサインで全体が連隊長に正対し敬礼し元に戻り行進を開始する。白い中隊旗が先導しドラムチームは第1中隊チームの外に並ぶ。


 黒い集団がやってきた。略帽の代わりに黒いバンダナを頭に巻いて敬礼ゾーン入り連隊長に正対して整頓する。ジャンプして両足を大きく開きしゃがみこむ。左足を軸に大きく回転し、地面すれすれの両手を前からゆっくり持ちあげるようにあげていき最後は一気に突き上げる。一人が飛び出し観客も真似をしろと煽る。下から上へ、ゥウ――ウォという感じで繰り返す。面白がった観客の一人が声に出して真似る。「ウーーウオ」。ノリのいい若者達が加わり、やがて観客席が手を突き上げ叫ぶ。何回かの叫びで一体感が生まれた瞬間、甲高いスネアのピンショットのコールサインが入り第5中隊は何事もなかったように整列、敬礼、左向け左をして行進を始める。黒い中隊旗が先導しドラムチームは第2中隊の横に並ぶ。


「クレマ大尉、ちょっとやり過ぎじゃないか」


後ろを振り返ってソシ中佐が囁く


「う~ん、ちょっと押してますかね~」


「確信犯だろ」


「とんでもございません」


「この後は、2分30秒の大作だったな。もっと凄いんじゃないか」


「それほどでもないと聞いてます」


「また丸投げか」


「これでも、私も忙しかったんです」


「力仕事なんかしてないはずだ」


「ヒトに連隊の仕事を押し付けておいてよく言えますね」


「作戦の終了と同時に原隊へ復帰させただろ」


「合同閲兵式とか前夜祭とか余計な仕事を押し付けたのは何処のどなたです」


「誰もここまでしろとは言っていないぞ」


「それはアリシオ中隊長に言ってください」


「そもそも、パレードに出ないんだから、昼寝でもしていたはずだ」


「いいえ、ドレスを縫ったり、ワッペンを付けたり、試験に落ちそうで勉強も大変だったんですから」


「お前は教師だろ」


「教師役ですが、本業は学生です」


「え”-、クレマ大尉は学生だったんですかーー。」


マリー少尉が後ろを振り返りクレマの顔を覗き込む。


「特務ですから」

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