89 おソロのバック
その時、中佐の執務室のドアがノックされる。
「誰か?」
「マリー少尉以下二名、命令により出頭致しました」
「そんな命「あーちょーどです。グッドタイミングです少尉。今、中佐とマリー少尉のことについて話していたんですよ」
「きさま「少尉の将来とか希望とか才能とかですね、いろいろと中佐が気にされていて」
「(しょうがない。)マリー少尉、明日、慰労会兼前夜祭がある事は知っているな」
「もちろんです中佐。その為に我が第3中隊は張り切ってお手伝いをしています。」
「なかなか励んでいるようでよろしい。そこでだ少尉。」
「はい。」
「貴様に特別任務を与える」
「ハイ‽」
「貴様は明日のダンス大会でゴールデンヴァーム少佐と踊れ」
「('Д')」
「だから、少尉。中佐は明日のダンス大会でゴールデンヴァーム少佐と踊る機会をわざわざ設けられて、あなたに特別任務を与えらえたの。ゴールデンヴァーム少佐に何を何して何とかしろと」
「なんですか、その命令は」
「それが特務よ。工(作)兵の自由裁量権を最大に認めて何らかの結果を出せと仰っていらっしゃるのよ」
「つまり暗殺せよ。と」
「違う違う。暗殺は工兵の仕事じゃないでしょ。それは暗部の仕事。あなたの器量、魅力、技量を最大限活用してゴールデンヴァーム少佐を見極めるのよ」
「見極めるとは」
「つまり、好み、考え、趣向、趣味それから野望、那辺に忠誠があるのかなど。勿論、帝国の優秀な軍人だけど派閥とかパワーバランスとかいろいろあるでしょ。その辺の見極めをお願したいと」
「しかし、自分は戦闘工兵です。戦闘にこの身を捧げております。自分には不適任で・・」
「これな~んだ、ソシ中佐がガッパーナの尻を叩いて作らせたバックよ・・・」
「やります。やらせていただきます。」
「よろしくって。これは、マリー少尉の軍務にもも使える様にと本当はブライトホワイトがあなたのお顔には似合うんでしょうけど、オフホワイトのエンペロープバック。これだとプライベートにもオフィシャルにも控えめで使えるし、大隊長のソシ中佐のお許しがあるから大手を振って使えるわ」
「ありがとうございます。中佐、私頑張ります」
「う、うん。励んでくれ」
「それから、ローズマリー軍曹にはこの深紅と言うよりは鮮やかさを抑えた深みのあるワインレッドのエンペロープバック。少尉のお供にお揃のバックで。華やかさを抑えてあるから軍服にも合うわ。勿論デートにも、姐さんの髪の色にも合うし」
「自分も頂けるのですか」
「もちろん、少佐が私たちの話を聞いてガッパーナに許しを与えたのよ。ほら、この大きな蓋を開けると書類も楽に入るし、この見開きの蓋の裏にさりげなく程良いつまり、これ見よがしでない程度に大きなガッパーナの紋章が目に留まるでしょ」
「ハイ、あのこれ何か書いたあるんですけど、読めません」
「(ゲッ)(リシャ語で愛をこめてなんてあいつどういうつもり)ほら、ここ、同じつづりでしょ、マリ―へって、この長い部分がローズね。つまりマリーへとローズマリーへと書いてあるの、そうですよね中佐」
「どれどれ(愛をこめてって)古代の言葉でお守りみたいなもんだな」
「ありがとうございます。中佐。大尉、ガッパーナに感謝をと、」
「それから最後に。ガッパーナがサング曹長にどうしてもって。何か洪水の時あったみたいだけど、教えてくれないのよね。あらキレイ~。金緑のエンペロープバック、三人お揃いですね。この玉虫色というより・・これアレキサンドライトだわ。どうやって革に染めたの?中佐これ」
「¶☸※§…(これはエレメンターの仕事だな)」
「ζ∬‰〈…(ガッパーナにはエレメントの才がないはずだけど)それにこの詞書」
“慈愛深きマダム・サングに敬愛と慕情をこめてガッパーナ・ガッパーナがおくる”
「サング曹長いったい何をした‼」




