82 六月二十六日の朝餉もパワーブランチ
いつもの座席に7人が座ってパワーブランチが始まる。
「夜に集まれなくてごめん。落第しそうで大変なのよ。ほんとはルイとファイがクリスを取り合った話が聞きたくてしょうがないんだけど、本人に聞いていいものかと・・・」
「取り合ったわけではないです」
「じゃルイ、何したの」
「無礼な態度を咎めただけです」
「それで第1中隊の宿舎をぶち壊したのは如何なものかと思うけど」
「すいません。」
「それはアシリオ中隊長が詫びを入れてくれたそうよ」
「すいません‥」
「それでアシリオ中隊長からリクエストなんだけど、閲兵式と12日の前夜祭なんかやってくれって」
「はあ?」
「アシリオ中隊長っていつもこんな感じね。なにがあれでなんかってどうすればいいのよね」
「そうです、いつも具体的な指示がないので困ってしまいます」
「という事は勝手にやっていいってことよね」
「それはちょっと」
「いいのよ、この際、勝手にやりましょう。何かアイディアがあったら聞くは、私は簡単な分裂ね、折角行進練習しているんだからちょっと手を加えて行進中に分裂しましょう。フォーメーションを四つほど繰り返していけばいいのよ。それから前夜祭は社研が仕切りたいというより仕切らせて、女の子は全員一曲は踊れるようにしたから、ルイ、男の子をあと20人程揃えて至急仕込んで」
「自由意志とかはないのか」
「ここは軍隊よ、上官の命令が絶対。ルイ、中隊代表として分隊長5人とルネ、法服貴族志望者5人で10人は確実ね。アダンあなたも出るんだからね」
「横暴なというよりみんなの意見を聞くんじゃないのか」
「聞くだけ聞くわよ。採用は別でしょ。」
「それでいいのか」
「私のプランよりいいのがあればもちろんそれを採用するけど、この忙しい中、何か新しいことを始めることが出来て?」
「まあ、言われてみればそうだが。行進はずーっと練習しているから多少の変化は苦ではないだろう。社交ダンス研究会にはクリスと踊りたい女の子やオルレアと踊れるかもと騙された男の子がそれなりに居るからな。絶対嫌だというやつも裏方なら手伝ってくれるだろう」
「そう、それに連隊には楽隊があるからそこそこ楽しめそうよ飲んだくれているよりはましでしょ」
「いっそ、他の中隊ともダンス交流会にした方がルイとファイみたいなことにならないかもな」
「それいい!そうしましょ。他の中隊にルイの名前で招待状を送りましょう」
「なんで僕の名前なんですか」
「それはファイよりルイの方がいい男だと世間に知らしめるためよ」
「なんなんですかそれは」
「クリスを巡る戦いはダンスで決着よ。ダンスバトルよ」
「また無茶苦茶な」
「それにユニ、裁縫が出来る子を集めて、それからパターンを引ける子がいないか調べて」
「服職デザイナーでなくパタンナーですか」
「どちらもいたらお願い。デザインはある程度引けるけど実際に起こすのは本職がいたほうが早いし、3週間で50着のドレスを仕上げるのよ、複雑なものは出来ないは。それに帽子、ベレー帽をどうしても作りたいの」
「なんでドレスがいる。それにベレー帽とはなんだ」
「男の子は略礼装でいいけど女の子はそれじゃかわいそうじゃない。」
「分かったはクレマ。服飾関係はニ、三人心当たりがあるし、男の子もほとんど縫物位は出来るわ。出来ないのか、しないのか、針と糸が使えないのは女の子も含めて10人程よ」
「だったら単色のワンピぐらいは何とかなるわね」
「それでベレー帽は何のためにいる」
「それは、第3中隊が特別だというアピールよ」
「ベレー帽が何故にアピールになるのか分からんが、アピールが何故ひつようか」
「決まってるじゃない。ルイの男をあげるためヨ」




