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帝国学院編  5タップ-2  作者: パーナンダ
帝国学院入学編
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80 報告会ー2

 クレマがスタッフルームと呼ぶその部屋は、中隊長の部屋ほどの広さで、品の好い家具や調度品がそこに集まった六人を寛がせていた。


「ルネ、続きを言いなさいよ」


「いや、こういったことは本人から聞くべきではないでしょうか」


「本人て、クリスかルイでしょ。あの剣術馬鹿がこの話を面白おかしく話せると思うの」


「そうですか‥そうですよね、まあそういう事なら・・花束もなく殺気立った結婚してくださいのプロポーズに全員の膝の力が抜けた瞬間ルイがファイの胸倉を掴まんばかりに迫って“そういうこことは俺を倒してからにしてくれ”ですよ」


「ルイが、何ゆえに?」


「さあ~、だから本人に・・」


「そこは“ちょっと待った~”じゃないの」


「ルイにそれはないでしょ、それよりクリスは何て?」


「ひと言“素手で”と」


「何故に素手でやり合えとクリスが嗾ける」


「だから本人に・・」


「でどうなった。」


「ゆっくりと二人は帯剣ベルトをはずし、暫く見合ったままでしたが、突然凄まじい格闘でした。流石01同士の攻防ですね。どちらがヒットしてるのか受けているのか分かりませんでした」


「怪我は?」


「軽い打撲という程度でしょうか。椅子が2,3ぶっ飛んで、机が一つ真っ二つなり、壁の腰板がそこかしこ穴が開き、派手にカーテンを切り裂いた割にはですが」


「それで」


「オベール小隊長がクリスに“もういいだろう”と」


「クリスは?」


「なんて言うんですかね。こう軽く腰を沈めると、手掌を前に立て一息吐くと大きく吸って、そして、ちょうど組手の取り合いか、掌打の打ち合いか、足が止まった瞬間、ハッと両手を突き出しました」


「で、」


「そしたら、二人がぶっ飛んでいきました、別々の方向に」


「成る程。」


「成る程ってあれは何ですか」


「それは遠当てね」


「とおあてとは?」


「プ・ラーナを人に当てて吹き飛ばす技よ」


「あの呼吸法のプ・ラーナですか」


「そう」


「クレマもできるの?」


「私が出来るわけがないでしょ。クリスだから、武術の鍛錬を積んだクリスだからできるのよ」


「凄い技ですね」


「技としてはたいしたことないわよ」


「何故です、誰も出来ないのに」


「誰が格闘中に腰だめのポーズでスーハッて待っててくれるのよ。せいぜいある程度の遠距離で心得のない者に対する初手にしか使えない技よ」


「そういうものですか、ルイもファイもまともに食らいましたよ」


「それは武術家ではないからよ」


「でも、二人とも結構強いですけど」


「兵士としてはね。兵士軍人と武術家は似て非なる者よ。そんなことより折角雨の所為で巡り合えたのに遠当て一発で散ってしまうとは、ロマンスの神様はいないのかしら」


「クリスにロマンスですか。それこそ遠く当てのないはなしでしょ。」


「それもそうね。その後ルイとファイはどうなったの?」


「水をぶっ掛けてたたき起こされ、上官の前で握手して肩をたたき合って抱き合って水に流して終わりです」


「男の子の喧嘩の作法ね。軍隊でもやるの?」


「軍隊だからやるんです。いろいろありますからね。発散して水に流す。後腐れないように」


「そうね。折角の雨のめぐり逢い、男同士だけど見守りましょう。じゃグレース第2小隊は第2中隊と巡り合わなかったの」


「雨のめぐり逢いも、雨の物語もなく、ただ、雨にも負けずってとこでしょうか」


「そうはいっても、何かあったでしょう」


「そうですね。実は…

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