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帝国学院編  5タップ-2  作者: パーナンダ
帝国学院入学編
79/204

79 報告会(学生たちの活躍)

 六月二十四日の午後はいつもの聖曜日の午後であった。夏至間近の日差しを避けるようにオルレアとベスの超ロングヘアの二人は屋根付きの物干し場に陰干しされていた。吹き抜けるさわやかな風はあるいは“風使いのジョイ”の仕業であったかもしれない。洗い髪姿で二人の髪を梳かす女の子たちに向かって片紐背嚢ザックを肩から下ろしクレマが


「ただいま」


と声を掛けた。


・・・・・・


「スタッフの皆さん貴重な聖曜日の夕方に集まってもらって心から感謝します。晦行って、正確にはつごもりぎょうのれんしゅう会だけどその後の聖なる平凡の時を掻き乱すこの行為を許して頂いて衷心より感謝を申し上げます。一応正午を過ぎたし、ブレックファーストにお土産のクッキーを頂きながら報告をお願いします」


とクレマはザックの中から菓子折りを取り出しテーブルの上に置いた。グレースが紅茶を淹れる。


「ユニヴァ連隊の一番大きな酒保で売ってたお土産品だけど、どうかな」


「ギリギリクッキーって感じですね」


とルネが一枚齧りながら感想を述べる。


「そうですね。いくらテヒでも砂糖を使えなければこの甘さは出せません。久しぶりの本物の甘味です」


ユニが目を閉じる。


「グレース、とてもお茶が美味しわ」


「テヒに稽古をつけてもらっているんです」


「食研も大活躍のようだけど、まずは時系列に沿って各活動の報告をイシュク、概要からお願い」


・・・・・


「つまりは、アシリオ中隊長じゃなくって教育大隊隊長のアシリオ少佐格の指揮下で第1から第5の各教育中隊が任務を無事遂行できたという事ね」


「連隊の方にはそういう報告は上がってこなかったのか」


「ソシ中佐からは大概の所は口頭で知らせがあったかけど、連隊長の評価を閲覧できる立場じゃなかったので確認はしてないの。そういえばアダン、ソシ中佐の第4特務中隊に教育大隊より手助5名とあったけど、それってあなたたちの事よね」


「手助とは聞きなれない言葉だけど、まあ実際は見学だな」


「足手纏いにならない程度にはお手伝いで来たという事ね。それはそれはだけど、あなたたちの冒険活劇は別のお話という事で、ルネ、第1中隊では何か面白いことはなかったの?」


「そうですね。物資搬入の為第1中隊宿舎に日没後に到着して夜はほとんど交流なく、翌朝の三勤行のあと主要メンバーと自分ら第1小隊とで会議を持ちました。オベール小隊長が先にアシリオ少佐格の伝令として教官たちとは打ち合わせが済んでいたためかスムーズに事が運び、朝餉の後の全隊員との交歓会も滞りなく終了。雨が酷いので早めに帰ることになりました。11時に出発という時にですね・・・アハハ!」


「どうしたルネ」


「いや、第1中隊第1小隊01番といえば中隊の顔というよりは76TGの顔といってもいい奴じゃないですか」


「まあ、そうだな01番は上の方の期待も多きいが成績優秀、品行方正、好青年というイメージだな」


「そうでしょう、第1中隊の1-1-01はファイというんですが、いきなりクリスの前に立ったとおもってください」


「クリスの前に立って握手でも求めたか」


「それが尋常ならざるオーラを発しながら仁王立ちです。すごい殺気にクリスの横に居た2班のアニスと4班長のアマンダが帯剣に手を掛けるほどの気迫です」


「まさかいきなり切り合い?」


「いえ、いきなり“結婚してくださ~い”です」


「なにそれ、花束の一つもなしに殺気を発しながら求婚か」


「クリスは?」


「何の反応もなく、キョトンでもなくハテナ?でもなく立っていたら」


「立っていたら、何?」


「いやー、これより先は本人に聞いてください」


「なによそれー、いきなり“つづく”でなく“終わり”はないでしょ」

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