72 六月十四日は火の曜日
一晩中降り続いた雨は夜が明けても断続的に降っていた。教育大隊第三中隊第1小隊A分隊分隊長のルイとその他の分隊長及びクレマスタッフは第三中隊中隊長のアシリオ中隊長及び教官達と幹部会を開いていた。
「これが昨夜ウリが運んできたクレマからの報告書だ。学生の本分を邪魔したくなくて三勤行が終わるのを待って、今、貴様らに見せる」
とアシリオ中隊長は内容の要点を説明しながら書簡を回覧させる
「まず、教育大隊はソシ中佐の特殊大隊に編入された。これはこの大雨による一連の事態が終了するまでという事だ。適当なところで本来の教育大隊として復帰する。」
「実戦部隊に一時的に編入されて、現役兵士として活動するという事ですね」
「そうだ。それでこの大隊の行動については当面このアシリオが臨時・戦時規定により少佐格で指揮することになった。しかし、自分はなるべく学生の意見を取り入れ教育の側面も考慮して運営したい。そこでだ、小隊長会議と学生会議のスタッフを参謀に任命してクレマの情報をもとに当面の作戦計画を立ててもらう。それを教官でありこの大隊長である私の承認を与える形でこの状況に対処する。ではルイ後はよろしく」
そう言うとアシリオ中隊長以下教官たちは退室した。残された15名は溜息をついた。
「ルイ、とりあえずお前を中尉格にとしてこの第3中隊100名、戦時編成なら2小隊編成分の員数での中隊の指揮系統を構築しよう。」
「分かったアダン。が、このままの小隊編成で第3教育中隊の運営方式をなるべく残そう」
「よし、ルイを中隊長クレマスタッフは一応ルイの参謀として、他4名の01番は少尉格小隊長、06番は副官曹長格で各小隊を掌握。しかし、横断的に任務を振ることもあると思うのでそれは心得てくれ。第1小隊は規定通りクリスを小隊長に当てるという事でみんないいか?」
皆が了承のサインを送るのを確認して、
「では、ルイ、参謀を代表して献策する。まずは、全員に雨の中の行軍準備をさせて待機。その間にスタッフとルイとで行動方針、大綱を作成してその後小隊長会議で計画を立案する。行動開始が08時にできるようにしよう。0730時に小隊長会議をここでという事でどうか」
「分かった。みんな聞いた通りだ、雨中行軍準備を小隊長は0730時に集合。副官は経験を生かして隊員を指導してくれ。以上」
・・・・・
アシリオ中隊長の執務室にルイと小隊長格学生及び参謀役の11名が集まっていた。アシリオ大隊長格が
「基本的にこの作戦計画書を承認する。これはソシ中佐の別命が出るまでの効力を持つとする。それから練兵館に倉庫からいろいろ物資を持ち出して整理整頓。備品持ち出し書類をきちんと作成しておけ。」
「分かりました。それから、特殊技能者についはソシ中佐の大隊には特に秘匿する必要はないが、それ以外の場所や人がいるときには未だ秘匿事項なので厳重注意をしろ。~あッ。倉庫に古い盾があるけどあれも使え。いろいろ便利に使えるぞ。耐久年数が過ぎているはずだから破損には注意しろ」
「了解しました」
「それじゃ。怪我に注意して頑張って」
・・・・・
「では、第3小隊が先行して、休憩地の選定、縄張り整地を後の小隊は物資の運搬だ。食研はテヒ監督の指示で動いてくれ。では、行動開始」
それぞれがそれぞれの役割任務を遂行する。ルイだけが何もする事がないかのようにつっ立っていた。
「ルイ、第3教育中隊じゃなっかった。ルイ中隊はしばらくはお前がいなくても動く。それで一番暇なお前に特別任務を考えたんだが」
「暇を持て余しそうだったので喜んで受けよう」
「2,3名抽出してソシ中佐を先行お出迎えに行ってくれ」




