56 その3
テヒがお茶を差し替えていく。
「さて、明日から三日間、雨だとして私たちの生活がどう影響受けるか検討しましょう」
「牛馬労は3小だな」
「3-3は中隊の要、頑張ってもらわないとね」
「取り敢えず、行進と楽走は中止で練兵館で過ごすことになるか」
「洗濯物がたまるわね」
「テヒのパンはどう?」
「横殴りの雨風でなければ、支障はそれほどないかな。薪の運搬が問題になるかも。2小にバンダルという工兵経験者とジョニーという大工仕事が得意な学生がいて、ロレンスとヒュパが中心となってかなり大きな屋根付きの作業場を作ってもらったの、グレースもいたから分かると思うけど、多少の雨でも糧食研究会の活動には支障がないと思う」
「グレースの意見は?」
「テヒの班に食糧研究会の何人かで多分10人は作業できるでしょう」
「そう、武術研究会は活動を控えてもらって古代語研究会の活動を前倒ししましょう」
「どうしてかしらクレマ?」
「多分雨で何か起きそうな気がして」
「何か起きそうというと?」
「それを今から検討してほしいんだけど」
「ルシアはどれ位雨が降ると思う?秋の大風みたいなことがあるかしら」
「風はそれほどないと思いますが、土砂降りというか豪雨というかそんな感じになるとおもいます」
「豪雨で発生する問題は?」
「土砂崩れに、川の氾濫、洪水」
「洪水の水が引いた後の疫病」
「幸い、第3中隊の兵舎の近くには氾濫して問題になりそうな大きな川はないわね」
「里山も土砂崩れしそうにないし、たとえ崩れても兵舎には影響がなさそうですね」
「せいぜい雨漏りが心配ですかね」
「雨漏りか~。グレース御免。第2小隊で雨漏りとか大雨に備えて兵舎や練兵館を点検してくれる」
「分かったわ。取り敢えず建物の外回りを大雨に備えさせる」
「屋根や建物の周りの備えのほかに準備するとしたら何かな」
「それなら当面3,4日分の食事や生活用水とかだろう」
「アダン、第3小隊に明日からの大雨に備えて牛馬労の前倒しを図ってもらって」
「了解した」
「当面の生活の手当ての次は何かな」
「それなら非常食だろ。今日の分も含めて予定外の食糧の確保かな」
「テヒ糧食研究会の三日分の材料薪炭を準備、イシュクは5小のシゲ分隊長と話し合って食糧倉庫からの物資の運び出しを3小のアイボ分隊長やアダンと調整して、テヒを手伝ってあげて」
「当面の宿舎、食糧、非常食を準備したら次は?」
「そうね、洪水といえば土嚢ね、水の流れってちょっとしたことで溢れたりするから排水路の掃除とか」
「ユニ第4小隊のスレート分隊長に第2小隊のボルドー分隊長の補助に入ってもらって、工兵の仕事はたくさんあるはずだから意見を聞いてみてって」
「了解」
「他にしておくことは何?」
「せっかく乾いた材木が濡れるのはちょっと」
「ルネ、第1のルイ分隊長に乾いた材木の始末を頼んで」
「それじゃ今日の仕事は日没までにとして早く終わったところは自室に待機という事にしましょう。スタッフは作業の終了を見届けてここに報告にきて。では行動開始」
クレマは一人残った自分に言い聞かせるように
「さて、私は中隊長達と打ち合わせね」




