33 11人いる!
中隊長が点てたお茶を導師が頂く。
「クレアさんもどうぞ」
と勧める。
「頂きます。」
と、クレアが頂く。
「クレアさんはとても上手に紅茶を淹れますが、抹茶はどうですか」
「いえ、抹茶はこの間、テヒさんが淹れたのを頂いたのが初めてです」
「何故か抹茶は点てると言いますが、中隊長さんのお茶を飲まれてどうですか」
「おいしいと思います。思いますがテヒさんのお茶と比べると何かが違うと感じます。」
「よくお見立てになられました。その違いがテヒさんが魔術でなく魔法の才能があるのではないかと思ったところです。」
「魔法の才能?」
「そうです、もしテヒさんが魔術士ならばテヒさんのお茶は甘くなるはずでした。」
「このお茶は甘く感じます。」
「そう、このお茶の様になるはずでした。」
「え?、もしかして」
「そうです。中隊長さんも魔術士です。土の魔術使いです。土の魔術士が無意識に料理をすると甘みが増すのです。」
「テヒのお茶は、甘みも苦みもその他の味もはっきりと感じられました」
「そうです。五味が際立ちながらも全体として一つの”美味しさ”になっていました。」
「そうです。そんな感じでした」
「魔術士についてはある程度、研究が進んでいるのですが、魔法士については未だ手つかずです。何故なら魔法使いがいないからです。」
「でも、導師様は」
「私は魔法は使えないのです。150年精進してやっとある程度は魔法というものを理解できるようになりました。が、使える様になるにはなっていません。理解するのと使えるという事は違うのです。」
「150年!」
「そこは内緒にしておいてください。女性に年齢を尋ねるより恥ずかしいのです。」
「わ、わかりましたが」
「さて、話を戻しましょう」
「はい」
「魔法の世界に足を踏み入れたものが5名。魔術の才能が顕現したものが6名います。」
「え?、11名もいるのですか。」
「新月の夜のイヌイ参りは魔術の行です。同時にネノコク参りは魔法に繋がる行です。ネノコクにユジュ瞑想を行ったものが五人いるという事です」
「でもアダンが4人と」
「テヒは天才です。あの後自力でネノコク瞑想を行っています。」
「自室でですか?」
「そうです。」
「危険はなかったのですか」
「そうですね。アダンと同じように、無意識であった自分を自覚しただけなので危険はありませんでした。本来はそのように段階を踏んで少しづつ前に進むものです。私は魔法の世界を覗き見るようになるまで120年、その後少しづつしか進めません。しかし、皆さんは一気に私と同じところまで進まれました。」
「導師様と同じということはないと思いますが」
「いえ、同じ地平に立っていると思います。でも、歩き方を知らい。あ~、クリスさんは違いますね。着実に精進の結果でしょう。五業剣が五粗剣に変容していました。それは五端の地平に立てたので下位の五粗が使いこなせるようになったからだと思います。今度クリスさんに教えて頂きたいものです。」
「導師がクリスに教えてもらうのですか?」
「もちろんです。それぞれ得意分野が違うのですから」
「はあ~、そういわれればそうですが」
「クリスさんの師匠の教えが素晴らしいのです」
「そうですか」
「だから、そういう事です。クレマさん。みんなで教え合えばいいのです。」
「?」
「クレマさんの学校ですよ」
「私の学校ですか?」
「そう、クレマさん達が作る学校です。魔法使いが五人、魔術使いが6人もいるのすから。こんな学校、今までありません。」
「誰と誰が魔術使いなんでしょうか」
「それは、クレマさん達が見つけてあげてください。お楽しみはこれからです。」




