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反悪魔的建国記  作者: カチカチ豆腐
5/5

5話  ゴミ溜めと可哀想なゴブリン達

すいません。遅れてしまいました。



 朝日が木々の隙間から当たりを照らし始めた。

 川は日の光を浴びてキラキラと輝き始める。

 そん中、疲れ果てた俺。

 

 あの後、何度も角付きウサギとゴブリンと遭遇して休む暇など全くなかった。

 最後の方には大きな角付きウサギも出て来て苦労したが、おかげで「威圧」というスキルを獲得する事が出来た。そこでちょうど夜が明けてきたところだった。

 

 夜通し戦っていたから疲労と睡眠が半端ない。

 

 


 ふらふらと歩きながら川沿いを歩く。この先にある目的地を目指して。


 アレフから教えてもらったが、近くに「ゴミ溜め」と呼ばれる場所があるらしい。

 なんでも、様々な種族から追放された者達が集まっているそうだ。


 なんで人の街に行かないでそんな所に行くかというと、こっちの世界の人は悪魔族をひどく恐れているそうで、もし俺が人の街へ行こうものなら討伐隊に殺されるだけらしい。



 ゴミ溜めならどんな者も受け入れてくれるようなのでそこなら大丈夫だろうとアレフが教えてくれた。

 アレフには感謝しかないな。今度会ったら礼を言わなきゃ。


 

 

 森を抜け、広い草原に出たところで目的地が見えた。


 疲れ果てた体に鞭を打ちなんとか近づいていく。



「もう…限界…」



 俺はゴミ溜めを目前にして意識を手放した。


 


 




「うぅ……ここは?」


 目が覚めるとそこには屋根があった。


 あれ?確か森を抜けたらゴミ溜めがあって、なんとか見つけたと思ってそれで…


「お、目を覚ましたみたいだな。大丈夫かあんた。大分疲れてたけど。」

 

 声がしたほうに振り向く。

 そこには青い髪の青年がいた。

 

 イヤ、この世界の髪色はバグってんのか?白といい青といい、まあ俺は黒なんだけども。



「ああ大丈夫。君が助けてくれたの?」


「ん、そうだよ。あんたが外に倒れてたからここに連れてきたんだ。」


 そうなのか、それはありがたい。

 

「そっか、ありがとう。実は昨日の夜からずっと魔物と戦っててね。それで疲労困憊になって倒れてしまったんだ。君の名前は?俺はアウル・デイノス、よろしく。」


「俺はファムル、ファムル・クラハだ。よろしくアウル。」


 ファムルはそう言うと、手を差し出して来たので快く握る。



「アウルも悪魔族か。大変だな、そりゃゴミ溜めに来るのも納得できる。」


「『アウルも』ってことはファムルも悪魔族なの?」

 

 よく見るとファムルからも尻尾が生えてる。


「いや正確に言うと人族と悪魔族のハーフだ。人族のお袋と悪魔族の親父の間に生まれたんだ。」


「そうなのか、じゃあファムルは仕方なくここに?」


「まあな、親父と関係を結んだ事がバレたお袋は人族に捕まっちまったんだ。親父はお袋を助けてくるからここで持ってろって言ったきり帰ってこなかった。親父はいい人だった。親父は人族といい関係をになれるようにいつも努力していたのに人族は悪魔族ってだけで親父を殺したんだ。」


 

 そうなのか…それはやるせないな。



「ああすまん!暗い雰囲気にしちまって!でも今はこうして元気に過ごしてるから大丈夫!そうだ、アウルはなんでここに来たんだ?」


「実はさ、俺転生して悪魔族になったんだ。それでアレフに会って人の街に行くのはやめた方がいいって言われてここに来たんだ。」


「アウルって転生者だったのか!俺初めて見たぜ!だがそのアレフって誰だ?」


「ああごめん、賢王って言ったら分かるかな。」


「賢王様!?六王の一人のあの!?」


 おお、凄い驚きようだな。やっぱアレフって凄いのか。


「賢王様に会うなんて凄いな!どんな人だった?」


「いい人だったよ。初対面の俺に色々教えてくれた。」



 

 ファムルと少し会話した後、外に出てみる事にした。


 

 しかしボロっちいな。どの家も藁と木で組み立てたテントのようなもので強い風でも吹いたらすぐに壊れてしまいそうだ。

 大きい建物は物見矢倉くらいだ。



「あんた見ない顔だな。新入りか?」


 歩いている俺に話し掛けてきたのはゴブリンだった。


「ゴブリンが喋った!」 


 目の前のゴブリンは確かに喋ったのだ。

 俺が森であったゴブリンは「グギギッ」としか言わなかったのに。


「驚いたか?俺は普通のゴブリンより知能が高い特殊個体なんだよ。」


 へ~そんな事もあるんだな。


「そうなのか、ビックリしたよ。突然ゴブリンが喋ったんだから。」


「そうか。ここにきた奴はみんな俺を見て驚くんだよな。ここには俺みたいな特殊な奴らばかりだから一々驚いてちゃきりないぜ。そうだ、新入りはなんていうんだ?」


「俺はアウル、よろしく。」


「アウルか。俺はゴブスケだ、これからよろしくな。」


 ゴブスケって……

 自分で付けたのだろうか。



「敵襲ーーーー!森からゴブリンの群れだ!百匹はいるぞ!!」


 突然、物見矢倉にいた見張りらしき人から声が聞こえた


「なんだと!?今いく!」


 なっ!ちょっと待ってよゴブスケ!俺も行くよ!






 ゴブスケについて行くと、三十人程の住民とゴブリンの群れが睨みあっているところだった。

 

 

 ゴブリンの群れの中から一人のゴブリンが出てきた。


「グギャギャギャ!グギギ!グガッグギギグギャギャギャ!」


 ほうほう、なるほど……さっぱり分からん!

 そうだ!ゴブスケなら分かるかも!


「なあゴブスケ、今なんていったんだ?」


「えっとな、『ここにうちの息子に大怪我させた悪魔族がいるだろ!そいつを出せ!出さなければお前ら諸共殺してやる』だってよ。」


 えーまじかよ。迷惑なモンスターペアレンツだな。魔物だけに。おお寒っ!

 

 てかそれって絶対俺じゃん。確かに昨日の夜、逃がした奴いたな。

 


「これアウルのことか?」


 ゴブスケが訝しげな目で俺を見る。


「多分ね。マジごめん。」


「おいおいまじかよ。こっちの住民の数は全部で三十四人、あの数じゃ少なからずこっちにも犠牲が出るぞ。」


「ですよねー。仕方ない!俺がどうにかするよ。」


「なっ!お前一人じゃ殺されるぞ!」


 いや駄目だ、俺がまいた種だから責任持って俺がどうにかしなきゃな。

 だが流石に百匹近いゴブリンを倒す力は俺にはない。


 そんなときにこちら!スキル「威圧」!今なら半額、送料無料!お得でしょ~!

 

 おっと今はふざけてる場合じゃない。ちなみに「威圧」効果はこうだ。



 威圧  対象を威圧し恐怖を与えることができる。相手の魔力総量より込める魔力が多いほど効果が

     高くなる。



 これでなんとか怯えて帰ってくれないかな。

 生憎、俺の魔力は沢山あるっぽいのでなんとかなると思うけど。


 俺は人混みをかき分け前に出ようとする。…が呼び止められる。


「アウル、どこにいくんだ!?」


「なんだファムルか、ちょっとあのゴブリン達をどうにかしようと思って。」

 

「なっ!そんなの無茶だ!あの数だぞ!やめとけ!」


「そう言われても、あのゴブリン達は俺を探してるらしいんだ。」


 俺はそう言って歩を進める。


「待てよアウル!」


 ファムルが呼び止めてくるがここは無視しよう。

 いつあいつらが暴れ出してもおかしくない。それで被害がでるのはイヤだからな。



「ここだゴブリン!お目当ては俺だろう!」


「グギギギャギャギャ!」


 あ、ゴブスケ連れてくれば良かった。何言ってるか全然分かんない。



「グギギ!」


 先頭に立っていたゴブリンが後ろのゴブリン達に何か叫ぶと、俺めがけて一斉に走ってきた。


 ヤバッ!余裕ぶっこいてる場合じゃねえ!

 頼む!これでなんとか立ち去ってくれ!


 俺はありったけの魔力を込めて「威圧」を発動する。

 

 その瞬間

 

 バタバタバタバタバタバタバタバタ


 百匹近いゴブリンは口から泡を出して全員倒地面に沈んだ。



《一定以上の恐怖を確認、同時に殺害を確認、ユニークスキル「恐乱の使者」を獲得しました》


《通算百匹以上の生命を殺害を確認、個体名アウル・デイノスは低位悪魔ローデビルから悪魔デビルに種族進化しました。》


《一定以上の恐怖を確認、個体名アウル・デイノスは悪魔デビルから上位悪魔ハイデビルに種族進化しました》



 うっそーん









 どうやらゴブリン達は全員ショック死だったらしい。その顔は恐怖で歪んでいた。少し可哀想だな。想定としては怯えてもらうくらいだったのに。

 俺は威圧の対象をゴブリン達に向けたが、その余波で後ろで見ていた住民にも気絶してしまった者がいたようだ。


 これじゃ正に覇王○の覇気じゃないか。


 ちょっと強すぎないかな。これは安易に使っちゃ駄目だな。制御の練習しないと。


 それに新しいユニークスキルも手に入ったし、種族進化とやらもした。これも調べなきゃ。 


 そんなことを考えているとファムルがやってきた


「アウルなんだ今のは!?」


「あー、いやちょっとやり過ぎちゃったかな。」


 俺が戸惑っていると周りの住民達も俺のもとへやってきた。



 

 あーあ、これは面倒くさくなるな。


 

読んでくださりありがとうございます。

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