それってイジメだろ!
人は美しいものが好きだ。
『美』という漢字の成り立ちが『羊がよく太った様子』であることからも分かるように、本来は人に益をなすものが『美』であった。
『美』の概念が多様化した現在においても、本能的にも文化的にも『美』を崇める慣習は残っている。
同じように残るのが『醜』を貶める慣習である。何を以て『醜』としたか。その1つに『集団から外れたもの』があると思う。
『醜』であることが蔑みの対象になるのは『集団を成立させ得ない要素』と捉えられがちだからではないだろうか。
さて、なぜここでいきなりこんな議論を始めたかというと。
『醜』なものを悪役にして叩きまくるの大嫌いなんだぁっ!
悪役は悪いコトをするだけで悪役になり得るのに、なぜそこにわざわざ『醜』という要素を加えたんだ某人気書籍化作品!(ちなみに異世界恋愛もの)
まるで『集団から外れた者なら皆で叩いても嘲笑っても良し!』と言っているようで
そ こ が 超 絶 ム カ つ く !
心理学的に人間の顔を見るなら、平均値に近いほど『美』と認識されやすく、平均値から離れているほど『醜』と認識されやすくなる……
そんなことを研究していた先輩がいました。
つまりは『美』とは『スーパーノーマル』であり、『醜』とは『外れ値』である、という説。
顔だけでなく、何事においてもある程度は通用しそうな説だな、と思っています。
醜を貶めるということは、外れ値を貶めるということであり、多数の暴力ともいえる時があるのではないでしょうか。
よくある『ワタシ悪くないのにイジメられました』からざまぁ等するストーリーもどうかと思うけれど、
『外れ値だから皆で嘲笑ってヒドい目に合わせても構わないよね』って考えに比べると100倍マシ!
ちなみにその小説、気立ての良い愛されヒロインが、庭の美しい花のために雑草をブチブチ抜くんだよな……読むとつい、抜かれる雑草の気持ちになってしまいます(笑)