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zzzzz
1
僕たちは畑を作ろうと思い立ったが、やり方がわからなかった。
いろいろ試してみたが結局、その辺の土を混ぜ返しただけ。
これでは当然、作物など実りそうにない。
「ふう、疲れたみょん」
土まみれになったメイデンが、大地に突き刺したシャベルにもたれかかりつつ、額の汗をぬぐった。
「なんで達成感を味わってるの」
2
僕たちは畳の上に寝転がる。
「思うんだけどさ」
「みょん?」
「SF小説の中にいるみたいじゃない?」
「言われてみればみょん」
「でもさ、ここで僕たちがSF小説みたいな、大胆な行動を取っても、たぶん失敗するよね」
「どうしてそう言い切れるみょん?」
「だって、現実はSF小説ではないのだから」
「zzzzz」
3
「ばんざいみょん!」
「おかしい」
次の日の朝、庭に綺麗なトマトができていた。