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百鬼戦乱舞 ―語草―  作者: 朝日菜
2016年
97/201

4月19日  百妖依檻

「まりちゃん無事?!」


 教育学部がある建物の前に立っていたまりちゃんと合流する。


「無事よぉ、いおお姉ちゃん」


 まりちゃんはこんな時でも焦らなかった。怖がることもしなかった、だから私もしっかりしなくちゃと思える──これがまりちゃんの凄いところだ。


「聞いた今の! コード・ゼロって!」


「えぇ。百鬼夜行よねぇ?」


 やっぱりそうか。私の認識は間違っていなかった、ならばこれから地獄が始まる。そういうものだとずっとずっと聞かされていたから。


「シロねぇはオフィス街をやるって! 私たちはこの辺りを任されたわ!」


「わかったわぁ。どっちも森から一番近いから、気を引き締めなきゃあ」


 まりちゃんは人から負の感情を抜くのが上手い喋り方をする。だから気を引き締めたくても引き締められないのだけれど。


「まりちゃん、私たちの相性は最低で最高よ」


 今この瞬間も多くの人たちが周りにいた。人魂ひとだま変化へんげする私と餓者髑髏がしゃどくろに変化するまりちゃんはどこからどう見ても半妖はんようには見えない。どちらもただの妖に見えるから最低で、だけどまりちゃんは私の炎に焼かれなくて、私はまりちゃんに踏み潰されても無事だから──最高の共闘相手だった。



「だから、私たちに怖いものなんて何もない! 行きましょう!」



 変化して、次々と現れる妖怪を燃やす。


「火事よぉ〜、講堂に行って〜!」


 避難誘導をするまりちゃんの言うことにみんなが従った。まりちゃんは《十八名家じゅうはちめいか》の人間だから、さっきの放送が効いたのだろう。


「講堂に! 講堂に行きなさい!」


 危機感のないまりちゃんの代わりに声を張り上げたのは、教育学部の教授だった。

 いや、彼女は首御千瑠璃しゅうおんぜんるりさん。首御千家の現頭首でもある──半妖だということを私は知っている。


「落ち着きなさい! この炎は貴方たちを燃やさない、私を信じなさい!」


 学生たちも瑠璃さんが首御千家の現頭首であることは知っていた。瑠璃さんはまりちゃんよりも上手くみんなを導いて、私たちから離してくれる。

 姿が見えなくなる前に、瑠璃さんと目が合ったような気がした。さすが現頭首で半妖だ、彼女が朱亜しゅあちゃんの本当のお母さんか。


 ありがとうございます、戦うからみんなのことをお願いします。


 燃やせ、燃やせ、焼けて死ね。餓者髑髏に変化したまりちゃんに炎を分けて、二人で大学の妖怪を退治する。

 しんどい戦いだった。殺しても殺しても終わらなかった、誰かの亡骸が視界に入る、他のみんなは──私の大切な家族は、みんな無事?

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