表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百鬼戦乱舞 ―語草―  作者: 朝日菜
2006年
47/201

7月5日   ママ

 ニンゲンのようなニオいがする。なのにクサくない。フカイでも、ない。


 ミにイくと、ニンゲンのアカんボウがウルサくナいていた。そいつをダいていたオンナが、ワタシにキづいてワタシのことをミオろした。


「……黙りなさい、亜紅里あぐり


 アカんボウはフカイではなかったが、オンナはフカイだ。ヘンなニオいがする。ニンゲンでもヨウカイでもないニオいも──そのミクダしたようなカオも。ゼンブ。


「……五月蝿いね」


 タちドまってオヤコをナガめていると、オンナがムスメを──アグリをジメンにオいた。そのままフりカエりもせずにサっていった。


「あぁぁぁああああ!」


 オきザりにされたアグリがオオきなコエでナく。カワイソウだ。あのオンナはナゼこんなモリのナカにムスメをスてたのだ。ここは、ニンゲンがクらせるようなトコロではないのに。


『ダイジョウブカ』


 コエをかける。アグリにはワタシのコエがキこえてるのだろうか。


「あぁぁぁ! あぁぁあああぁあっ!」


『オチツケ。ナキヤメ』


 あのオンナのようにアグリのことをダきアげることがどうしてもできない。

 ワタシにはアグリをダくようなテがないのだ。


『アグリ』


「あ……」


 すると、アグリがキュウにナきヤんだ。あのオンナがワタシをミて、ワタシのメのマエでアグリをスてて、ナいていたアグリにはワタシのコエがキこえていた。


『アグリ、ダイジョウブカ』


 カワイソウなアグリのナミダをナめる。アグリはまったくイヤがらなかった。それがとてもフシギだった。

 ニンゲンからキミワルがられるワタシのことをオオきなメでじっとミアげて、チイさなテをワタシのカラダへとヒッシにノばしていた。


「あ〜っ! あぁ〜!」


 あのオンナではなくワタシをモトめているようだった。そんなアグリにコタえたいとオモう。


「まぁ〜!」


 アグリのフクをクワえるタメに、カオをチカづける。あのオンナがアグリをスてたなら、ワタシがアグリをヒロってやると──そうオモったから。


「ま、ま〜!」


 そのトキ、アグリにヨばれたキがした。クワえずにカオをアグリからハナすと、アグリがカわらずテをノばしたまま「まぁまぁ!」とイった。


『ママ……?』


「まんまっ!」


 ワラっている。さっきまでナいていたくせに。ニンゲンはなんてオカしなイきモノなのだろう。


『ワカッタ。ママダ、ワタシハオマエノ〝ママ〟ダ』


 するとアグリが「きゃっきゃ」とワラう。ホントウにオカしなコだ。


 けれどワタシは、ケッしてアグリをテバナさない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ