4話 ベッドとお風呂とお願い事
「夕飯どうするー?購買行く?」
「行くなら悠斗だな。」
「いやー、ここは平等にじゃんけんでしょー!」
「お前、ありさちゃんをパシリにする気か!」
「じゃあ、いいぞ、俺とお前の1対1でじゃんけんだ!」
「負けた方が買いに行く。OK?」
「OK」
「「じゃーんけーん...」」
「あ、待って待って、出前が頼めるみたいだよ~」
「おっと。そうなのか!メニューは、メニューは??」
「えっと、カレーとか〜うどんとか~、まぁ見てみて~」
「うどんがあるのか!優秀だな!」
「あー!オムライスあるじゃん!俺はオムライスで!」
日向はオムライスが好きだったなそういえば。
「俺はうどんにしようかな!」
「やっぱり~、ゆうくんうどん好きだもんね~!私もうどんにするよ~」
10分後…
ピーンポーン
「料理をお持ちしました。肉うどん一つ、オムライス一つ、素うどん一つになります。それと、こちらは入学祝のケーキでございます。ぜひ召し上がってください。」
「どうもありがとうございます。お疲れ様です。」
確か、先生の呼び出しを伝えに来たのもこのおじさん管理人だったな。ほんとお疲れ様です、管理人さん。
「二人ともなんかお祝いのケーキももらったよ。」
「やった~食べよ食べよ~」
「思ったより早く届いたね。迷いやすいところ以外は完璧じゃん!」
「合掌、いただきま〜す!」
「「いただきまーす」」
「やっぱりうどんはいいな」
「オムライスうんまいー!」
「日向、今日どうだった?」
「ん?ああいいひほがおおいとおろった!」
「すまん食べてる途中にいいた俺が悪かった。で、なんて言った?」
「ん。かわいい人が多いなーって思った!ここ普通にレベル高いと思う」
「ねぇねぇ私は〜?」
「ありさちゃんはかわいい!」
「嘘でも嬉しいよ〜、はい、このお肉あげる〜。」
「まぁまぁ。謙遜しなさんな。あらありがと。」
「これ食べ終わったらお風呂入りますか。どうする、男の後は嫌だろうからありさから入る?」
「えへ~ゆうくんと入る~」
バカ、恥ずかしいだろ!
「ありさちゃん、おれと入ろっかー」
「お巡りさーん、ここでーす。」
「日向くんとは嫌だ~、ゆうくんと~。」
「ガビーン」
待ってくれ、本気なのか、こればかりはほんとに無理。同じ部屋くらいならまだ許せるが、風呂は無理だ。
「ありさは恥ずかしくないの?」
「なんでよ~、小学校のころ一緒に入ってたじゃ~ん」
「それは昔の話でしょ。二人とも年ごろなんだし、ほら、俺、襲っちゃうかもしれないよ。」
「えぇ~襲うの?」
いらないことを言ってしまった。
「いや襲わないけど…」
「なら大丈夫じゃ~ん!」
これはまずい、てか日向助けろよ!ニヤニヤこっち見やがって!
「そうだありさ、あとでお願い事を一回聞くってことでお風呂だけは、頼む!」
「ん〜、わかったよ~お願い事一回ね、忘れちゃだめだからね~」
「うん、約束しまーす。」
「じゃあ食べ終わったし行ってくるよ〜」
ふぅ、なんとかなったー。日向のやついつまでニヤニヤしてるんだよ!
「おい日向、助けてくれよ。ニヤニヤ見やがって。」
「いや~微笑ましくってね〜ついニヤけてしまってたよ~。」
「おい、ありさの話し方がうつってるぞ。」
「おっと。普通こういうイチャイチャ見てると無性に腹が立つけどさ。」
イチャついてないし。
「悠斗とありさちゃんなら許せるんだよねー。」
「まぁ、そう思ってくれるならまだありがたいのかもな。」
「そういえばさ、思ったんだけど、女の子の入った後のお風呂ってそれこそよくなくないか?」
そこまで考えてなかった。
「んー、どっちもダメだなー。とりあえず今日はこのままいくけど、あとで聞いててくれ、後がいいか先がいいか。」
「はいよー。」
◇
「もう12時になるな。そろそろ寝よっか」
「そうだな、今日はいろいろあって疲れた」
「は~い、じゃあゆうくんこっちおいで~」
え?
「ゆうくんは私と一緒にねるのさ~。」
「えっ、なんで!」
「お願いごと一つ聞くって言ったじゃ~ん」
そういえばそうだった!
「そ、そうだけど一人でゆっくり眠りたいんだ。とりあえず今日は疲れてるから他の日にしてほしい。」
「え〜。ん~。わかったよ~。じゃあねよ~。日向くんもう寝てるね。」
寝るの早いんだよ日向さんよ。
「おやすみ、ありさ。」
「ゆうくん、おやすみ〜。」
翌朝。カーテンの隙間から日が差し込み、小鳥たちのさえずりで目を覚まし......なんて言う理想の朝ではなく雨が土砂降りしている。はぁ、テンション下がる。今は7時半か。ありさと日向を起こして昨日頼んでた食パンでも焼いて食べるか。
「おーい、ありさ起きろ、っていないし。」
そういえばさっきから体が重い。何か柔らかいものが体に触れている。ん?
布団の中に何かある!
勢いよく掛け布団をめくると、皆さんお察しのとおり、ありさがいた。
「おい!!ありさ何やってんだよ!起きろ!おーい!」
「朝からうるさいなぁ」
日向が起きてしまった!ありさはまだ起きないし!とりあえず掛け布団で隠すか!
「お、おう、すまん。おはよう。」
「ふあぁ、おはよ~」
その瞬間、場が固まった。
少しすると日向が口を開く。
「えっと、一緒に寝てたの?」
「違う違う!いやまぁ違わないんだけど!ありさが勝手に入り込んでたんだ!ほんとだ信じてくれ。」
「えへへぇ~2時ごろにゆうくんの布団に侵入しちゃたの~ごめんね~、お願い事してたからいいかな〜っておもって〜。」
いやいやよくない、こともないんだけど。ダメだあの、柔らかいものの感触がお腹の辺りにまだ残ってる。
「わ、わかった。わかったけど、勝手に入り込むのはちょっと。反則。」
「ごめんなさい〜。私はゆうくんが私のベッドに勝手に入り込んでも文句言わないからいつでも来てね。」
なっ!絶対いかねぇ!
「悠斗。羨ましいぞ、コノッ!ありさちゃーん、ちなみに日向くんは勝手に入り込んでいいのかなー?」
「えへ〜、日向くんはダメ〜!」
「ですよねー。」
「ゆうくんの特権ですっ!」
「いらないよ!」