2話 部屋割りと入学式と適正テスト
学校に着いた。大きな塀で囲まれている。中の様子がなかなかうかがえない。
「校門でかいなー」
日向は無視して、その大きな門をくぐって中にはいる。
中には、高級旅館のような建物と城のような建物が見えた。おそらく、寮と校舎かな。
俺たち3人は、クラス分けの紙の掲示してある「城」の下の方へ向かった。
「ゆうくん!日向くん!3人みんな同じクラスだよ~!」
「おっ!まじか!運がいいな!」
「あらためてよろしくな二人とも」
3人は、1年A組。担任の先生は、小田といいう女の先生。厳しくない先生だったらいいな。
教室に着いた。21人の生徒が入るにはちょっと大きいくらいの教室だ。3人掛けの机が2列で7つ並んでいて、黒板には、「好きなところに座れ、早い者勝ちだ。」と書いてあった。
「っておーい!一番前しか空いてないてないじゃん!」
「せめて窓側に座ろっか~」
「ちょっといいか、これ多分、担任にの先生厳しい人じゃない?入学初日から、「座ってください」じゃなくて「座れ」ってあんまり言わなさそう。」
「ゆうくん頭いい~」
「じゃあ俺は先生が優しいほうに賭け…」
ガラガラ~
「はい静かに、、1年A組の担任になった小田だ。優秀クラスのA組を担任できることを光栄に思う。詳しいことは入学式後のホームルームで話す。9時から入学式だ。遅れくことのないように。」
ガラガラ~
この先生はやばくないか。キビキビしすぎてこっちが緊張する。そういえば副担任とかはいないのか。
「先生厳しそうだね~。そういえば日向くんなにか言おうとしてたよね。なんだったの~?」
「あぁ、いや何でもないよ!うん!」
「へんなの~」
「まぁまぁ体育館に移動しよ」
「体育館どこにあるんだろそれっぽい建物あった?」
「俺は周りあんま見てなかったからなー」
「体育館はこの校舎を出て裏の方にあるらしいよ~。さっき、校内の地図をちらっと見たんだ~」
「体育館もさぞかし大きいんだろうね、よし、行こ。」
♢
「これで入学式を終わります。」
やっと終わったか。
っていうほど長くなかったな。変なおじさんたちの祝辞だとかがなかったし。この後ホームなのか。
「それでは、この後のことについて連絡をします。この後は適性テストとなっています。全員筆記用具をもって試験室に入るようにお願いします。10時からテストとなっているのですばやく移動してください。」
えっ、テスト?入学早々?しかも適性って何?試験室??
「テストか~そういう気分じゃないな~」
「俺もテスト嫌いだなー。」
「おいおい、だれか突っ込め、試験室ってなんだよ!」
「はい、今から適性テストを始めます。回答はマークシートに、しっかり塗りつぶしてください。塗り忘れがないようにしてください。もし不備があれば後程呼び出します。制限時間は2時間、12時までです。では始めてください。」
うわー、2時間とか辛い。
あなたの好きなことは何ですか。(複数選択可)
運動は得意ですか。
東西南北どれか好きですか。
って何このテスト!問題かと思ったらアンケートじゃん!
ほとんど意味わかんない質問だな。
「はい、時間です。マークシートだけ回収します。前に提出した人から教室に戻ってください。」
「あ~疲れたよ~、ゆうく~ん」
「この後のホームで今日は終わりだからがんばろうぜ。」
「悠斗、俺トイレ行くからありさちゃんと一緒に先に教室に戻っててくれー」
「おう、道に迷うなよ。じゃあ、いこっかありさ」
「了解だよ~」
「遅い、大空はまだ戻ってこないのか。花澤、風霧、一緒じゃなかったか?」
「えっと、テスト後にトイレに行ってそれから会ってません。」
「迷ってるのか。先生が探してくるから、ほかのみんなは教室からでないように。」
「遅くなってすいませーん!」
「大空、今から探しに行くところだったぞ。大丈夫だったか?」
「はい、なんか、変な階段を下ろうとしたら、警備員さんに止められて、ここまで連れてきてもらいました!」
「そうか、この校舎は迷いやすいから気を付けるんだぞ。」
「はい、気を付けます。」
この先生、短気ですぐ怒るのかと思ったけど全然そんなことないみたいだな。ちょっとホッとした。
「では今からホームルームを始める。私は1年A組を担任することになった小田春香だ。このクラスは優秀クラスということで入試の結果をもとに編成されたクラスだ。3年間クラス替えはない。早速だがここでクラス委員長を決めたいと思う。だれか名乗り出るやつはいないか?」
さすがに入学早々でしゃばるやつはいないだろう。
「はい、私がやります。」
いたー!よく考えると今の俺の発言がフラグだったんだな。
「では水無月にお願いしようと思うが意見のあるやつはいるか?……よし決まりだ。水無月、よろしく頼む。」
「はい。」
「そしてあと一つ寮の部屋割りなんだが。うちの寮は学年クラス別に区切られていて、男と女で別れていないんだ。隣が異性の部屋になる可能性もあるからそれは了承してほしい。一部屋ごとの防犯は管理人さんが完璧に管理してるから安心しんくれ。」
なんじゃそれ!
「それで、もう今座っている席でを寮の部屋割りにしたいんだが意見のある者はいるか?」
は?何言ってんだこの人。問題しかないだろ。
「はーい、先生!」
「なんだ花澤」
「さすがに男女で同じ部屋っていうのはよくないと思いいます!」
「そうだよな、じゃあ、今から仲のいいやつで3人グループ作れっって言っても、お互いのことよく知らないだろ。だから歴代こうやって部屋割りを決めているんだが。今年は男女の数がちょうど割れないからな。それが問題だ。」
「先生~。私、ゆうくんと同じ部屋ていいですよ~。」
何言ってんだこいつは!
「ありさ、さすがにここで冗談いうのはやめようねー」
「冗談じゃないよ~。知らない人と同じ部屋になるより知ってる人の方がいいもん。」
「と風霧は言っているが、花澤と大空はどうだ。」
「俺は何でもいい…です。」
「やっぱり俺は男女一緒はよくな…」
「…ゆうくん周りのみんな私たちを待ってるよ…」
えぇ!じゃあ、ありさと一緒の部屋ってこと!?どうにかならないの!
「ゆうくん」
「あーもうわかった、わかりました。じゃあ同じ部屋でいいです。」
「すまない花澤。ではみんなに部屋の鍵を渡すぞ。4つあるから考えて使ってくれ。」
411号室か。まったく、日向はこんな時だけおとなしくなりやがって、まさか…寝てる!
「それでは、今日は解散。明日も9時から始まるからそれまでには教室に入っておけよ。」
まあいいか、別にそういう目で見てるわけじゃないし…
「は~」
「日向くん起きて~。ひ~な~た~く~ん。」
「わあぁ、目が覚めたら目の前に美少女が。天国か?」
「ふざけたこと言ってないで療行くぞー」