1話 プロローグと通学と思わぬ再開
俺は花澤悠斗。15歳。
最初に言っておく。俺は、中二病でほとんど特徴がない!
スポーツはほとんど出来ない。
まぁ、中学の時の体力テストの結果は、平凡だったが。
勉強も平凡くらい、顔も平凡くらいなんじゃないかな。
そんな何事も平凡なことが特徴の花澤悠斗くんです。
明日は、高校の入学式。
うちは貧乏だから、高校選びは学費が安いとこならどこでもいいかって思って選んでたときに見つけた、
「学費なし、完全寮制」の雨雲学園高校。
そして合格したんだ。親友の日向と一緒に。
日向と一緒っていうのはほんとに心強い。
親と離れて一人だといろいろ不安だっていう話をしたら、日向が
「俺、高校行く予定じゃなかったけど、学費なしだし、悠斗と一緒なら高校、行ってもいいぜ」
って言ってくれたんだ。いやー、日向いいやつなんだよな。
そうだ。高校、かわいい子いるかなー。
まぁ、いたところでどうということはないけどね。俺、女運悪いし。
あー。今から楽しみで眠れない!ってわけでもないからもう寝よう。出発の準備は完璧だ。
おやすみなさい。
♢
「じゃあ、いってくるね。お父さんにもよろしく」
「寂しくなったらいつでも連絡ちょうだいね」
「大丈夫だって、いってきます。」
雨雲学園高校、略して「雨校」
雨校は自分の家の最寄り駅から14駅離れたとことにある。近いほうなんじゃないかな。遠いとことからも来る人いるらしいし。
つぎの駅で日向が乗ってくる。
「ウィース!悠斗!」
いつも以上のテンションで日向が俺の方にきた。
「オッス、お前は朝から元気だなー」
「はじめてのこととなるとテンション上がるんだよー。クラス一緒だといいな。」
「そうだな、寮の部屋は自由に決められるのかな」
「わかんねぇ、番号順とかじゃね」
「自由だったら一緒なろうぜ」
「おうよ」
途中おばあちゃんが乗ってきたので席を変わったり、かわいい人乗ってきたら日向とちらちら見たりして時間を潰した。
「よーし着いたー。」
ここからは徒歩。だいたい30分くらいか。めんどうだな。坂道だし。
周りには雨校の制服を着た生徒が結構いた。
「悠斗!雨校女子レベル高くね!?」
確かに、いわゆる「ブサイク」と呼ばれそうな感じの人はパッと見いなさそうだ。
「あの子とかめっちゃかわいくないか」
「どの子?」
その子はポニーテールを揺らしながら前を歩いていた。かわいかった。だがどこか見覚えがあった。
「ポニテ最高だよな!」
俺の言葉を待たずに日向が言った。
「俺はショートヘア派だ」
そのとき前の女子が何かを落とした。
ハンカチだ。
「おい悠斗、これは仲良くなるチャンスじゃん、「ハンカチ落としましたよー」から始まる出会い、いいじゃないか!」
「そうだな、お前行って来いよ。」
「なぬ、心優しき日向様が譲ってあげてるというのに!」
「俺が女の子とまともに話せないのわかって言ってるだろ」
「克服だよ克服、さぁ、行って来い!」
「あーわかったよ。渡すだけしかしないからな。」
日向め、覚えておけよ。まぁどうせ何も起きないだろうし、渡したらすぐ戻ろう。
「あのすいません。さっきおとしまし…」
「あれ~、ゆうくん?ゆうくんじゃん!お久しぶり!」
ん?あれ?何?知り合い?
知り合いの中で俺をゆうくんって呼ぶやつは一人しかいない。
「ありさ!?」
「うん!風霧ありさちゃんだよ。」
何でありさがここにいるんだよ!てか大声出しちゃったじゃねえか!恥ずかしい。
「ちょーっとまったあ!悠斗、知り合いなのか!?こんな美少女と?」
後ろから日向が走ってきた。
「うん、えっと、小学校まで一緒だった幼馴染ってところかな」
「あら~、ゆうくんのお友達?友達出来たんだ~、私以外友達いなかったくせに~」
「ありさだって俺以外の友達いなかっただろ」
「えへへ、ゆうくんのお友達は私の友達。風霧ありさで~す。ゆうくんの友達さん、お友達になろ~?」
「えっ、こんなかわいい子と友達になれるなんて、なんていい日なんだ!俺は大空日向、日向って呼んでくれ。よろしくありさちゃん!」
「よろしくね~」
「まさかありさも雨校だったなんて思いもしなかったよ」
「私もゆうくんがいるなんて思わなかったよ~。でもうれしいな、これでもうひとりぼっちじゃないね、日向くんもいるし~高校生活楽しくなりそうだよ~」
それから3人で校門まで向かった。