4/4
記念日
「なんだっ!!」
入学式会場に突如響いた叫び声、
声の主の方に視線が注目する。
「理事長!」
キャスラーを求めた声が聞こえた。
「はい、なんですか?」
呼び掛けに応じた理事長。
この騒ぎが始まる前と変わらない笑顔で接する。
こんな場合でも不気味な笑顔を崩さない、
その時点でコイツが普通の奴とは思えないことが十分に理解できる。
「結界が低級の奴に破られました」
「そのようですね。この騒ぎを見れば一目でわかりますよ」
「おい、この騒ぎどうするつもりだ」
叫び声がとまらない。
「敬語を使いなさい。・・・・・・、記念日ともふさわしい日にこの騒ぎは残念ですね」
残念そうな顔をするキャスラー。
その途端、
「静まりなさい。弱い者は身を守りなさい。強い者は胸をはりなさい」
銃声音が響いた。