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雷雲に轟けサンダーボラティリティ

作者: D.K.ローリング

ここは紀元前3世紀のモラニョス王朝だ。ちなみに何が紀元前3世紀なのかというとモラニョス王の孫のモラニョス3世が絶命した日だ。市場から朝一番元気な声が轟く。「お〜い!モラニョスのモラニョス川から採れたピチピチのモラニョスフイッシュが赤字覚悟の1キロ30ニョスだよ!」この物語の主人公魚屋のモーチョス(以下「彼」)だ。彼は今年35歳。最近腰が痛くてかなわないそうだ。そんな彼を見兼ねて八百屋のマチョスが釘を刺す。「浜辺で死んでた不衛生な魚売ってちゃいかんでしょ。」それに彼は返す。「お前はおちんちんを弄りながら野菜を収穫する癖があるらしいな!?」コラコラ…。商売人同士脚の引っ張り合いしてどうすんだっちゅーの。お互いの商品を貶す合う内に客の足はどんどん遠のいていった。彼の魚は次の日全部腐っていたが、狂った彼は腐った魚を売り続けた。当然客が買う訳はなかったが、彼は現実に唾を吐いた。しかしその唾は見事に自分の右腕に命中した。水分を摂っていなかったのでネチョッとしていたのだ。彼は途方に暮れ結局魚を獲りに行く事に決めたのだった。しかし糸を垂らすのはいいが外は物凄く寒かった。彼は寒過ぎて鼻水を垂らし釣りどころの精神状態ではなかった。飽き性の彼は10分くらいで釣りを止めて帰ってしまった。その代わりに綺麗な貝殻を数枚拾って、家の棚に飾る事に決めた。帰ったのはいいが売る魚が全く無かった。困って困って困り果ててしまったので八百屋のマチョスに相談しに行った。コンコン。ドアを叩いてみた。返事は無い。コンコンココッコ、コンコンココッコと少し16分のリズムを入れてリズミカルに叩いてみたりもしたが返事は無かった。仕方ないので玄関マットの下を捲ってみたら鍵があったので玄関を開けた。なんとマチョスはビールっ腹を見せて昼寝していたのだ!それを見て激怒した彼は言った。「お前と昨日言い合いしたせいで悪い噂が立ち、全然売れなくなったではないか!代わりにキャベツを5玉程貰って今晩はキャベツ鍋にさせて貰うからな!」その大声を聞いたマチョスはパチンと瞼を開けた。しかし二日酔いで眠かったのとよく彼が意味の分からない一発芸を披露しに家に来ていたのでその一環だと思い、うざいなと思いつつももう一度眠りについた。彼はキャベツを本気で盗もうかなと思っていたが宣言してから盗んだら俺だとバレるではないかと気づいた。なので干し椎茸を2つだけ盗って家路についた。しかし彼のお腹は限界だった。干し椎茸をしゃぶりながら今後をどうするか本気で考えていた。そんなとき、鍛冶屋のハチョスが言っていた事を思い出した。「俺は鍛冶屋で駄目になったらモラニョス王朝が毎朝8時と毎晩10時に行っている炊き出しに並ぶ事に決めてんだ。」しかし彼は周りの人間によくこういう事を言っていた。「炊き出しに参加する奴等は人間以下のゴミであり、俺は全員にあだ名をつけている。」彼は一気に震え上がった!炊き出しに並ぶ俺を見て知り合いが俺にあだ名をつけるのではないか!彼は中年太りだが、割りと高圧的なキャラクターで周りに言わせないように努めてきた。しかし、炊き出しに並べば経済状況を知られ面目は丸潰れである。そんな事を考えていたら余計に腹が減ったので炊き出しに向かった。炊き出しに並ぶと周りに白い目で見られるのではないかと不安に思っていたが、並んでいるメンバーも職員もフランクな良い奴等ばかりだった。多分彼等は周りに気を使い過ぎ、出来すぎるが故に炊き出しに並ぶ事になったのだろう。一緒のテーブルで食べた3人とは面白い程話が弾んだ。なんというか波長が合うというか、笑いのセンスがグンバツだった。スープを飲んでいる時にうんちを高速で出す話をされたときはスープを彼等の顔にぶちまけそうになる程だった。皆でワイワイとやってるとそこにマチョスとハチョスが通りかかった。彼は今まで大笑いしていたが、一気にボリュームを下げた。余りにも高速でボリュームを下げたのでそれを聞いた三人が面白がり真似しだした。彼は言った。「そういう事ではないのだ、本気で静かにしてくれ。これは冗談では無いのだ。」しかしさっきまでうんちを高速で出す話をニコニコしながら聞いていたので誰も本気で言っているとは思わなかった。そんな時、マチョスが彼に気づいた。「あれはモーチョスではないか?何故あんな所に居るんだ?声を掛けようか。」ハチョスは言った。「やめておけ。奴の魚屋が経営不振だったのは火を見るより明らかだった。察するのだ。」マチョスは言った。「あっ。でもあいつ滅茶苦茶炊き出しメンバーを馬鹿にしていたではないか笑」とニヤニヤしだした。それを聞いていた彼の顔は真っ赤になって茹で上がったタコのようだった。他の炊き出しメンバーは言った。「あいつらお前の事言ってるんじゃねぇか?挨拶しねーのか?」彼は黙ったままスープをズズズと言わせ、首を横に振った。しばらくして嵐が去った後、彼は家路に着いた。外は暗雲が立ち込め、雷が轟いていた。なにより魚の商品価値の暴落振りに憤っていた。そんなとき、彼は呟いた。「雷雲に轟け、サンダーボラティリティ」

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