見知らぬ場所
ゆうです。
ようやくメインの彼が登場しました。
まだ冒険譚らしいことにはなりませんが、宜しければ読んでみてください。
「ん…」
目が覚めると、私はベットの上だった。
「えーと……あぁ、病院か」
誰かが救急車を呼んでくれたんだろう。
男の子は怪我しなかったかな。
あとで看護師さんに聞いてみよう。
「トラックに轢かれて生きてるとはなぁ…」
死ねなかった。生きてしまった。
「せっかく死ぬ口実ができたのに…」
「って、あれ?」
痛みがない。
現代には鎮痛剤という便利なものがあるが、私の身体には点滴一つついていない。
それどころか包帯も、傷もない。
「え…夢…?」
こんな場所を、私は知らない。
途端に不安と混乱に襲われた私のもとへ、足音が近づいてきた。
「どうしよう…!」
だれ? こわい。 逃げるべき? でもどこから?
そうこうしているうちに、足音は扉の前で止まった。
控えめなノックと共に入ってきたのは、綺麗な女性と、精悍な顔つきの青年だった。
男「お、起きたか。気分は悪くないか?」
私「えっ…あ……」
混乱と不安が入り混じり、私は素っ頓狂な声をあげてしまった。
女「ちょっと勇者様、突然話しかけられて驚かれているじゃありませんか」
女の人は微笑みながら、すみませんと私に謝った。
私「ゆう…しゃ…?」
顔はかっこいいのに、変な名前だな。
でも様ってことは偉い人なんだろうか…
女「あぁ、自己紹介もしなくては。私はクロエ。職業は僧侶です」
男「俺はアイザック。ザックと呼んでくれ。職業は勇者だ」
私「あっ、どうも…私はゆう。職業は学生……って、職業?」
聞き間違いじゃなければ、彼らは職業で『勇者』『僧侶』と言った。
私「えーと……あぁ、そういう設定で何かされてるんですね」
テーマパークみたい…ここはどこなんだろう?
ザ「設定?何がだ?」
私「勇者と僧侶ですよ。子どもとか喜びそうですね」
二人とも変な顔をして私を見ている。
何か変なこと言ったかな…?
ザ「俺は本物の勇者だ!馬鹿にしてるのか?」
私「えっ、あ…ごめんなさい…」
咄嗟に謝ったけど、こわいし意味分からないし、正直もう家に帰りたい。
夢なら早く覚めないかな…
ク「勇者様、落ち着いてください。この方、文献でも見たことのない髪や眼の色をされています」
ザ「! もしかして…エマを呼べ!」
クロエと名乗った女性はパタパタと部屋から出て行った。
アイザックというひとは私をガン見しながらぶつぶつ呟いてるし…
あぁ、トラックに轢かれて死ねたらよかったのに。
結局私の思考は、そこに還るのだった。
ゆうです。
読んでくださってありがとうございます。
短くぽんぽんと更新していけたらと思います。