1話 気づいたらそこにいた。
「んっ・・・・ここは・・・?」
うつ伏せの状態からゆっくり立ち上がる。
服についた土を払いながらあたりを見回してみる・・・けど
周りを見渡しても森。そして道さえも見当たらないようなかんじ・・・
空を見れば暗くて。満月がちょうど真上にあったから夜だということが分かった。
けれど、周りは明るく見える。なぜか知らないけど。
(ガサガサっ)
「ふぇっ!?」
驚いて声が出てしまった・・・
「誰かいるみたいね・・・・・」
「・・・・・」
ゆっくりこっちに近づいてくる気がするっ・・・
息をひそめてゆっくりと場所を変えるために動く
闇符「ダークサイドオブザムーン」
いきなり周りが暗くなった!
というか、何も見えなくなった。近くにあったはずの木も、草も・・・
「どこにいるのかー?」
右後ろらへんで声がする。
(ゆっくり・・・ゆっくり・・・)
1歩1歩慎重に足音立てずに進む
けど、周りが見えない状態で森にいるようだから
ごつっ
「いてっ」
木にぶつかった・・・
今音がした!こっちらへんだね~
たぶん、この暗闇の原因だと思う。私を捕まえるためにこうしたんだと思ったんだけど・・・
なんですぐこっちに来れないのかな?
ま、まあ。いきなり襲い掛かるのも気絶しちゃうときとか驚いて死んじゃうとかありそうだからかな・・・と思うけど
でも、というかたぶんだけど。
あっちも見えてないよね?これって・・・
さっきから木にぶつかって葉っぱが揺れる音がするし、さっきの考えをやらないとするなら相手も見えてないってことになるんだよね。
まあ、好都合だし・・・とにかく離れないと!
ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり。
「結構すすんだとおもうんだけど・・・」
ちょっと小声でしゃべる
周りはまだ暗いままなんだけど。
「「つかれたなぁ・・・」」
遠くで聞こえる、さっきよりかずっと遠くだと思う。
「「いなくなっちゃったかな・・・?」」
なんか、悲しそうな声でしゃべる。
そんな相手に少し、私は動かされたのかな?
「おーい! あなたはだれー?」
さっきまで見つからないようにしていた相手に話しかけてしまった。
「「私はルーミアっていうのー! あなたはー?」」
「私はー・・・・」
私は・・・誰だっけ?
いや、ふざけてるわけじゃないんだけど。名前がわからないんだよね。
「いや、名前の前にこの暗闇、あなたが出してるのー?」
「「そうだよー!」」
「自己紹介するからこの暗闇消してくれないー?動きにくくて困るんだけどー!」
「「えー、逃げないならいいけどー!」」
「わかったー逃げないからー!」
そう言ったら少したって暗闇が薄くなって、消えた。
とりあえず、さっきしゃべっていたルーミアっていう子の姿を探してみる。
「ここにいるからーきてー!」
やっぱり諦めて呼んでみた。
そうしたら遠くから金髪で黒いワンピースを着て頭にリボンを付けた女の子が飛んできた
「こんにちは。じゃあ、自己紹介してくれる?」
あ、名前考えてない・・・・もう適当でいいや!
「私は緑っていうの。けど、名前以外わからなくてね・・・」
襲いに来た相手になんで説明してるのか・・・まあ、そんなことはどうでもいいけど
「そーなのかー。じゃあ、あなたは食べてもいい人る・・・」
「え?」
「い、いや。それよりさ。私もここらへんで迷ってたから一緒にいない?」
まさかの襲いに来た相手からの仲間になろう宣言・・・
「まあ、いいよーここらへんで迷ったって一応どこかわかるの?」
「わかるよ?ここは妖怪の山っていうとこなんだけど~」
ここから少し説明してもらってたんだけど、簡単に教えてもらったことをまとめると
ここは妖怪の山っていって、天狗や流し雛などが住んでるとこなんだって。
友達と遊んでたらはぐれたって言ってたけど・・・絶対獲物探しに来てたよね・・・(汗
で、私の事が気になったらしく・・・
「緑はさ、そこ髪色とかも覚えてないの?後飛び方とかさ。」
「え・・・?」
「きれいな金色の髪で、私と同じ感じの髪型でお揃いじゃないかなとおもってねー」
「そ、そうだね。で、飛び方っていうのは?」
「え?背中に羽が見えるけど・・・?ほんとに覚えてないの?」
一応背中を確認してみた。自分が両手を広げたくらいの翼があって、動かそうと思えば動かせた。
なんでここまで大きいのに当たらなくて気づかなかったのか不安になるくらいだった。
「ほん・・・とだ」
「えっと・・・飛び方教えようか?」
「・・・お願いしていい?」
ルーミアに飛び方を教えてもらうことした、
(1時間ほど過ぎ)
「じゃあ、やってみて?」
ルーミアがそう言う
教えられたのは飛ぶことを考えるのではなく空を泳ぐような感じでやること。
一応それで飛ぶことはできたけど・・・何回も落ちてます。
「いくよっ」
ゆっくり前に進むように、地面をけって泳ぎだすようにした。
「おっ!」
まず浮けた。そして上昇しないと飛んだ意味がないわけで・・・
上に行くためには泳ぐんじゃなく斜め上に進んでいくように、まるで坂を上るような感じで昇ればいいってさ。
「いいよーいいよー!」
どんどん上昇していく。ルーミアも隣で浮いてくれてる
そして・・・
「よしっ!」「いいじゃん!」
やっと自由に飛べるくらいにできた。
「で、私はどうすればいいのかな?」
「まあ、とりあえず神社に行けばなんかわかるかもしれないね。」
「神社?神社に行けば私のことがわかる?」
「この世界は神社の巫女に管理されてるんだって」
「へぇ・・・」
「だから、わかるかもしれないということ。」
「わかった、行こう」
そうして私はルーミアに神社まで案内してもらうことに。
「ルーミア。」
「ん?どうしたの緑?」
「なんか、すぐ仲良くなってない?」
「確かにね~、ここだけの話。私はあなたを食べる気だったんだけどね?」
ビクッ!?
「えっ・・・・・ほ、ほんとに!?」
「ほんとだよ?まあ、今はそんなこと考えてないけどね。私の初めての友達だし。」
「え・・・ルーミア・・・」
「・・・・」
二人の間に沈黙が続く。
「・・・私、人食い妖怪なんだよ」
ルーミアが深刻そうな顔をしていった。
「私自身、なんでそんな妖怪にならなきゃいけなかったのかわからないけどね。
いつも、人を見るたびに思うんだ。もし私が普通の人間だったら楽しく過ごせたんじゃないかなっ・・・って。」
「ルーミア・・・」
「・・・ごめんね、いきなりこんな話しちゃって。」
「いいよ。そして、かなえてあげたいな・・・その願い。」
「えっ・・・」
驚いた顔をするルーミア。
「だって、ルーミアは普通の人間だったら楽しく過ごせると思うんでしょ?」
「うん、そうだけど・・・」
「それなら、できるんじゃないかな?」
「えっ・・・?」
「だって、その姿から少し悪いかもだけど子供だよ?」
「うん、そんなことでつられて私に食べられた大人もいるよ・・・」
「その時、どんなふうに話しかけてくれた?」
「えっと、「そこの君!そんなとこにいたら危ないよ!」って」
「だったらなおさら大丈夫だと思うよ、だって何もしなければ心配してくれてるんだもん。」
「えっ?」
「だって、そんなとこにいたら危ない、なんてその人にとっては関係ないことだよ?なのに声をかけてくれた。なんでだと思う?」
「・・・」
ルーミアは黙ってる・・・
「それは、その人がルーミアを守ってあげたいと思ったからしたことなんだよ?
なら、ルーミアが人を食べなければ楽しく過ごせるんじゃないかな?」
「・・・それは無理なんだよ・・・」
・・・やっぱり。
「私はやっぱり妖怪。なおかつ人食い妖怪。人を食べないといられないんだ。」
「・・・わかった、一回食べないで過ごしてみて。」
「ひゃっ!?」
変な驚き方をするなぁ・・・・
「すぐ隣に私がいるから。食べたかったら私を食べて。」
「えっ・・・でも・・・」
「いや、大丈夫。だってルーミアに最初食べられそうだったんだ。その終わりだってあったかもしれないからね。」
「・・・わかった。でも」
ルーミアが言いかけて黙った、けど何を言おうとして黙ったのかってわかる。
「大丈夫、それは心配ないよ。」
私が吸血鬼だってことを私自身知ってしまったから。そしてルーミアも知ってしまったから。
「私だってなぜか血を吸いたいと思ったときがあるんだもん。さっき練習してた時だって。
私も手伝うから、ね?」
「・・・うん。」
「じゃあ・・・」
少し私は速度を落としルーミアの後ろを飛ぶ。
そして一気にスピードを上げてルーミアに抱き付くっ!
「ひゃっ!!?何するの!緑っ!」
抱き付いた拍子に右周りに回転。そして飛んでたのにどんどん落ちていく。
「$)%(")$"#($#"$)==%()$!)"="!!」
ルーミアが意味不明な言葉を発してるので勢いよく翼を使って浮力を得る。
そして、空中で止まる。
「あらりにゃいむちょふ~」
勢いよく回転しすぎて目が回り。
混乱していたルーミア、すっごいことになっているので私は抱っこしてさっきまで進んでいた方向に進んでいった。
まっすぐとね!
ということで設定はそのまま、ストーリーを書き換えていくことにしました
これからこの新東方夢世界をよろしくお願いします
・・・でも、こっちも途中から崩れるかもしれないので気休め程度にご覧ください