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ノイズ  作者: 神木
1/1

第1戦 悪夢と入学式

俺の名前は天羽(あまはね) 水月(みづき)。今日から高校生になる普通の15歳

だ。

あ、いや2つほど普通じゃないのがあったな。1つは...

「水月!遅れるぞ!早くしてよ!」

丁度いいタイミングで声がかかった。俺が普通じゃない1つ目は、幼馴染の空屋

 華奈多(くうや かなた)と同居してることだ。

なんでかって言われると・・・

「急げっていってるだろ!?早く降りてこおーい!」

・・・どーやら時間がないみたいだ。まあおいおい話すとしようかな。ちなみに

華奈多は女だぞ。口調が男交じりだけどな。

「ようやく降りてきた。さっ!いくよ!」

「おい。まだ飯食ってないんだが。」

「あんたが遅いからでしょー。別に少し食べないぐらいで死にはしないって。」

はあ・・・まあどうせ入学式で終わるんだ。昼飯を楽しみにしとこう。

家を出て20分も歩いたら大通りに着く。そこを少し進んだら高校だ。

「いやぁいよいよ高校だな。楽しみ楽しみ。」

嬉そーに話しやがって。俺はちっとも楽しみじゃないぞ。

「暗い顔だなぁ・・・そんなにお腹減ってるの?」

そっちかよ。

「これからまた繰り返しの日々が始まると思うと疲れるんだよ。」

「変わるかもしれないじゃん?例えば・・・。」

おい。俺の腕に抱きつきやがってなんのつもりだ。

「あたしが急に女の子らしくなったりとかさ?」

天変地異の前触れだ。止めて欲しいね。

「ふぅ〜。全く・・・こおんな美女が目の前にいるのになんとも思わないの?も

しかしてホモ?」

まぁ自分で美女って言うだけあってなかなか顔立ちはいいんだが・・・いかんせ

ん性格がな。あ、俺はホモじゃないぞ。

「違うのか・・・。」

ちげえよ。

「・・・っ。」

来たか。これが俺の二つ目普通じゃない理由。今の俺の目には半分だけ砂嵐のよ

うなものが見えている。

そして右目を閉じて砂嵐だけを見るとそこには決まって・・・夕焼けのような色

の景色のなかに死体が見える。

そう。俺には目でみている人間が近い将来死ぬ場合・・・左目にその光景が見え

るんだ。

「気持ちわり。」

死体も俺の左目もな。

「水月?どうしたの?」

「左目のアレだよ。別にいつものことだ。」

「顔色悪いよ?少し休む?」

「んなことしてたらいくら時間があってもたりねぇよ。」

「でも・・・。」

砂嵐がおさまった。つーことは...あのオッサンはそろそろ死ぬな。

「てゆーか今日は別に人が死にそうにないけど・・・?車も通ってないしさ。」

まあ俺には見えたさ。オッサンの背中に鉄骨が突き刺さってる光景をな。まぁそ

の鉄骨は今落ち始めたとこだ。あと5秒ぐらいか。オッサンの余命は。

「・・・!」

おっ。華奈多も気付いたか。まあ見たらいい気分はしないだろ。

「見ないほうがいい。」

全く俺は優しいな。見ないように胸を貸してやるんてさ。

「水月・・・あんた気持ち悪くないのか?ひ・・・ひとの死体なんて・・・。」

おう。学校についたらしゃべり始めたぞ。ずっと腕の中で首固定してたくせに。

「別に・・・もう慣れたしさ。」

「慣れるものなのか・・・あれ。」

「解りきってること聞くなよ。さっさと体育館いこうぜ。」

「う・・・うん。」

ていうかいつまで顔うずめてるんだろうな。こいつ。周りの視線が痛いぜ。

さっさと体育館行きますかね。


「・・・諸君は・・・勉学に・・・。」

・・・眠い。いったい何分話すんだこの校長。入学式だからってハッスルしすぎ

だぜ。倒れるんじゃねーの?

「ちょっと水月。寝るなよ!」

器用に小声なのに「!」つけやがって。さっきの大人しさはどこいったんだか。

「しょーがないだろ・・・20分も話してんだぞ?」

「だからって・・・ほら。心なしか先生こっち見てるぞ?」

気のせいだろ。

「・・・っ!」

また砂嵐だ。まさか校長死ぬのか?

「水月?」

「左目だ。」

「!まさか・・・校長がっ!?」

お前もかい。

「・・・?」

おかしい。死体が見えない。俺がいるのは最前列だ。校長しか見えていない。つ

まりこの状態で見える死体は校長だけのはずだ。

「水月?どうしたの・・・。」

なんだこれ。右目にも見え始めやがった。どんどん広がってやがる。

「これは・・・やばいかも。」

「?ねえ!どうしたの?ねえってば!」

相変わらず小声で「!」か。器用だな。

「水月?水月!?」

だめだ。もう見えねえ・・・。

どこだ、ここは。さっきまで体育館に・・・いや、ここも体育館か。景色が夕焼

けのような色に変わってること以外は。

「よぉ。」

「!」

「初めまして・・・と言うべきかな。」

いつの間にか校長がいたとこに誰かいやがる。

「誰だ。」

「誰・・・か。俺は誰でもないが、あえて答えるとしたら・・・「お前」かな。

「ふざけてんのか?」

「おいおい。俺は大真面目だよ。」

・・・消えやがった。なんだあいつ?あれだけ言いにきたのか?

「俺はお前に与えられた能力。今はいい。だけどすぐに使うことになる。」

何時の間に背後に。

「なんのことだ。」

「今はいいと言ったろ。・・・だが俺の存在は忘れるな。」

「何故だ。」

「もうすぐ解る。お前は俺を必要とするから。」

何言ってんだ。こいつ。

「今はただ挨拶しに来ただけだ。どうこうしようって訳じゃないさ。」

「ならさっさと元の世界に戻してくれよ。」

「もちろんだ。」

また・・・砂嵐だ。でも今回は・・・右目からだ。夕焼けの世界が崩れていく。

「お前は一体・・・なんなんだ。」

「お前は忘れててしまったのか?・・・まあ無理も無いか。もう10年たつんだ

・・・。」

10年。あの事件がおきた頃だ。

これも左目の能力なのか?意味わかんねえ。

だけど...あいつの言っていた「俺を必要とする。」って言葉が何故か妙に


気になったんだ。



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