表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/10

プロローグ

 東京オリンピックから10年後の日本。

 そろそろ祭りの熱気も冷めてきた、といったところでゲーマーを震撼させる出来事が起きた。

 ゲーマー全員の夢だった、VRMMORPGのサービスが米国で開始されたのだ。

VR技術については、5年前から実用段階に入っているとの情報をサイエンス紙で見たことがあった。

だが最初にこの技術が使われるのは、医療とか介護とか、その辺りだと踏んでいた。

 民間が触れられるようになるには、あと10年か20年はかかるよな……とか言っていたというのに。

 まさか最初にその技術が使用されたのが、ネットゲームだったとは誰も想像できなかっただろう。


 といっても、当時の俺はまだ小学生5年生。

 VRMMORPGの報道を見て、狂喜乱舞する親父の姿が異様に滑稽だったのしか覚えていない。


 そんな滑稽な父も、俺が中学生に上がる頃には死去してしまった。

まさか日本サービスが開始される前に死ぬなんて自分でも思っていなかっただろう。


 親父の死んだ年から、3年後……。

様々なバグを取り払って、満を持して日本サービスが開始されたのは俺が高校一年の春だった。

 叔母に引き取られて……あまりいいとは言えない新生活を開始していた俺は、ふと「親父があんなに喜ぶほどのゲームがどんなものなのだろうと」興味を持った。

 特に他意はなかったが、小学生の頃の"あの光景"が妙に頭から張り付いて離れなかった。


 あとは導かれるようにとんとん拍子。

毎日毎日学校帰りに、"VR屋"に立ち寄りオンラインゲーム《ジアピスト》を楽しむネトゲ廃人になっていた。


 そして今日も、俺は《ジアピスト》で第二の人生……第二の現実を楽しんでいる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ