表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祟り神は守り神  作者: 仙道 神明


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/6

第二話 鬼を退けし神

 はるか昔、この里は鬱蒼たる森と荒れ野に囲まれた小さな村であった。

 人々は田を耕し、川の流れを頼りに暮らしていたが、鬼や異形のものどもが夜ごと出没し、しばしば人をさらい、田畑を荒らしたという。


 その折である。

 天を裂き、黒き影が降り立った。


 それは神とも鬼ともつかぬ存在で、ただ“(まが)つもの”と呼ばれた。

 その眼は紅に燃え、その声は雷のごとく轟いた。

 人々は皆、地にひれ伏し、死を覚悟した。


 (まが)つものは言った。


「この地を混乱に陥れてくれよう。血を流し、嘆きを響かせ、闇に沈めてくれようぞ」


 だがその時、山奥から現れた一匹の鬼が、村を狙い襲いかかった。

 (まが)つものはこれに気を取られ、鬼に声をかけた。


「我こそは災いの神、汝と手を組み村を蹂躙せん」


 ところが鬼は、彼をあざ笑った。


「笑止! 我こそがこの地の主、貴様など知らぬ!」


 怒りに駆られた(まが)つものは、思わず腕を振るった。

 雷鳴のような力がほとばしり、鬼の身体を裂いた。

 鬼は叫び声をあげ、黒煙となって消え失せた。


 その場を見ていた村人たちは、口を揃えて叫んだ。


「神が鬼を討った! 我らを救う神ぞ!」


 (まが)つものは唖然とした。


「いや……違うのだ……仲間にしようと……」


 だが人々は耳を貸さず、祭壇を設け、酒を供え、感謝を捧げた。


 かくして、彼は“鬼を退けし神”として祀られはじめたのである。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ