天逆毎篇 七章 サ終と現実に置いてかれたアラサー
最後になんで体調が悪いことが分かったのか→
「それについてなんだけどさ」そう言って彼も質問をしてきた。質問を質問で返されてしまった。
「君の名前は?」
「伏見咲哉です」
「伏見君の家系ってなんなの?」
家系?家系ってなんだろう。別におじいちゃんがいておばあちゃんがいて両親がいてっていうことだろうか?いや多分違うだろう(反語)。
「詳しいことはわからないんで、また今度でいいですか?」
「おう、いいよ。じゃあ、LIME繋いどこうか!」
「知らない人と勝手にLIME繋いじゃいけないってお母さんに言われてて…」
「知らない人ではないだろ自己紹介しあったんぞ」
「冗談ですよ、はい、じゃあこれ」
そういって、QRコードを突き出す。
「ん?これは何だい?」
「いや、LIMEつなげるんだったらQRコード使わないと」
「はぁ…まったくこれだから最近の若いのは。この裏技を知らないなんて…」
「LIMEにそんな裏技があるんですか?」
「おう、ホームを押して、あれ?」
「ん?どうしたんですか?」
「なくなってる…」
「何がですか?」
「ふるふる…」
「ふるふる?」
ふるふるというのは何だろう。いや、あのふるふるか?いやそんなわけない。もうサービスが終了しているはずだ。だが一応…
「ふるふるって友達追加するやつですか?」
「なんだよ知ってんだったら早く準備しろよ」
「もうサ終しましたよ」
その言葉を告げた瞬間、僕たちの間を流れる時が止まった。伶冶さんの口が開いたままふさがらない。
とんでもない間抜け面だ。人間版真実の口かな?手を入れてみたく…はならないが。
「そんなわけねえだろ、Hey,SERI。LIMEのふるふるをして」
『申し訳ございません。よくわかりません。』
呆気に取られている伶冶さんの肩にそっと手を置いた僕は勝手にスマホを取り上げ、サクッとLIMEに追加してから「じゃ」といって家に帰った。
何度か振り返ってみたが伶冶さんのときはいつまでたっても動かなかった。
その日、Tmitterでまるで本物の人間のような像として伶冶さんがバズっていたのを見て僕は何やってんだあの人。と冷静