天逆毎篇 十七章 圧倒的に人間できない
あったことをつらつらと喋っていると、
「え?あれって天邪鬼じゃなくて女神さまなの?」
というなんとも頼りない答えが返ってきた。おい大丈夫か呪霊学校…。神様と怪異の違いも分かってねえよこの人。
「それにしてもありがとうございました。これで腹痛に苦しめられることもなくなりそうです」
伶冶さんは照れくさそうに「いいんだよ」とつぶやいた。
「伶冶さんはなんで呪霊師になったんですか?」
「俺はね。魔王を倒したいんだ」
なーに言ってんだこの人。草むらでしゃがみすぎて足じゃなくて頭が痺れてんのか?
すごく失礼なことを考えていたら、伶冶さんが意を決したように言ってきた。
「お前、うちの呪霊屋に来ないか?といっても俺一人だけど」
助けてもらった以上、断りづらいが―――
「いえ、もう怪異とか神様はこりごりです」
そういうと伶冶さんは寂しそうな顔をして、そうか。と言った。
「今回の依頼料はいくらぐらいですか?」
「依頼料?いらないよ。今回のは俺が勝手に首を突っ込んだだけだし」
「では、あの瓶の値段は?」
「いいよ。無理やり渡しただけだしな」
「え、あれの原価って……?」
「色々やって数千円ってとこだな」
「僕をここで働かせてください‼︎」
「お、おお。どうした急に。俺はどこぞの湯バァバァじゃねえぞ」
嬉しそうな顔をする伶冶さん。それをみて、僕は確信する。
だめだこの人。商売下手すぎて、ちゃんとマネジメントしないと死んでしまう。知り合いに死なれたくない。
こうして、僕は伶冶さんの店で働くことになった。
ちなみに班の人は伏見稲荷大社で仁王立ちしている僕を見て、他人のふりをしようとしていた。僕がメンバーにお仕置きのチョップを入れようとすると、他人のふりをあきらめてどこ行ってたんだー!と言ってメンバー全員からチョップされた。かなり強く。




