《付録》スペースオーク設定覚書3
・キャラクター
・ストレイシア=フェンダー
通称ステラ。
大規模銀河放浪者一家であるフェンダー家の御令嬢ながら、偉大な祖母に対するコンプレックスで家を飛び出しステラ爆音隊なるチームを結成した、グレたお嬢様。
本来は長い金髪のお嬢様然としたルックスの持ち主なのだが、銀河放浪者をやる上のポーズとして少年のように髪を刈り上げており、荒っぽい口調を心掛けている。
その一方で元の育ちの良さは隠し切れず、よく地金が露出している。
荒っぽい銀河放浪者に憧れを抱くステラだが、本人の特性としては冒険をしない堅実なタイプの商人に向いている。
名前の元ネタはフェンダー・ストラトキャスター
・レジィ=ギーブス
ステラのお付きである、鉄腕の女。京言葉にも似たイントネーションの辺境訛りで喋る。
右腕を三本指の無骨なサイバーアームに換装している。
闇医者で違法な手術を受けた、いわゆるチンピラサイボーグの類であり、その戦闘能力はさして高くない。
また無理な手術の後遺症で神経痛を患っており痛み止めを常用しているため、いつも眠そうにしている。
伝説の銀河放浪者であるテレジアとその執事ハマヤーに憧れており、ほとんどミーハー感覚でフェンダー家に転がり込んだ。
ステラに対する忠誠心はあんまりない。
名前の元ネタはギブソン・レスポール。
・テレジア=「女男爵」=フェンダー
伝説の銀河放浪者。 極道淑女、王家公認無法者、百倍返しの女。
没落したフェンダー家を一代で立て直した女傑。 老齢に達しながら凛とした佇まいを持つ貴婦人。
その本質はネゴシエイターであり、言葉でひたすら相手を追い込んでいく戦術を得意とする。
駆け出しの頃にトーン=テキンの先代王ゲインと(敵対的な)縁があり、危うくトロフィーにされかかった。
本人同様に没落して路頭に迷いかけた男爵家の嫡男を拾い一女をもうけるが、孫が生まれた頃に他家との抗争で夫と娘夫婦を失っている。
彼女の夫と娘夫婦を謀殺した一家は、本拠地のコロニーごと恒星に叩き込まれ完全に存在を抹消された。
二つ名である「女男爵」は夫より預かった神聖フォルステイン王国の男爵位を持つゆえであり、いずれこの称号は家督と共にステラに譲られる予定。
名前の元ネタはフェンダー・テレキャスター。
・バック=「金管翁」=ハマヤー
伝説の跋折羅者。 フェンダー家永世筆頭郎党、死神トランペッター、フェンダーのアレ、マダム強火勢。
愛機『永遠の愛の殉教者』を駆り、フェンダー家の敵対者の尽くを抹殺してきた老執事。
肩に担いだケースには愛用の金のトランペットが入っている。
主君テレジアにプラトニックな愛を捧げており、若き日の彼女がバカップルそのものであった夫とイチャついている際も(脳細胞を破壊されながら)微笑んで見守っていた。
テレジアの夫が亡くなった後も一切態度は変わらず、従者として仕え続けている。
彼にとって「夫が亡くなった後に自分に目を向けるマダムなど解釈違い」であり、実際テレジアは亡き夫に操を立て続けている為、ハマヤーの解釈は完全に現実と一致していた。
恐ろしく死亡率の高い跋折羅者でありながら、老齢まで生き残っている彼は驚嘆に値するサンプルと言えるが、跋折羅者について詳しく調べようとする研究者やジャーナリストは、もれなくなんかもうひっでえ目に遭って死ぬので彼の平穏は護られている。
名前の元ネタはトランペットの有名メーカー&ブランドのヤマハとヴィンセント・バック。
・銘有り機体解説
・『永遠の愛の殉教者』
金の外装を持つ100メートル級戦闘艇。
特筆すべき点は、その広い甲板に描かれた乙女の意匠。
この機体と敵対するものは、若き日のテレジア=フェンダーの似姿を目に焼き付けながら黄泉路へ旅立つ事となる。
突撃衝角と四連装大口径レーザーキャノンを装備し、衝角を突き立てたゼロ距離からの砲撃を得意とする。
実の所、戦闘艇として特別優れた機構などは一切なく、全ては乗り手の規格外の豪運による戦果である。
・用語
・宇宙炭鉱夫
採掘宇宙機を駆り、小惑星からの金属資源採掘に従事する労働者。
危険な辺境宇宙が職場な事が多く、採掘会社は常に新人を募集しているため、何の伝手もない一般人が宇宙に飛び出す第一歩としてはメジャーなルート。
・ガス採集業者
ガスジャイアントからガス資源を回収する労働者。
宇宙炭鉱夫に比べると専門知識や専用の宇宙船が必要なため、格上の業種と見なされている。
・採掘宇宙機
航続距離の極端に短い作業宇宙機に採掘用レーザートーチを搭載した機体。
ドラム缶に作業アームが付属したようなデザインをしており、非常に安価。
多くの採掘会社は労働者にこの機体をリースして作業を行わせている。
主砲を取っ払ったボールのような宇宙船。
・宇宙トンチキ列伝
・銀河棍棒『打ち滅ぼす赤石』
聖王ゲインが手にしていたという銀河棍棒。
先端から放たれる赤い輝きは万物を叩き切ったという。
また、使用の際には聖王ゲインの全身が淡く光を帯びたという証言もある。
聖王ゲインの死去と共に使用者不在となり歴史に埋もれたが、現在はマルヤー女王の管理下にあると思われる。




