〜*第1話-8*〜
ーエリック side
朝からアベルを大事そうに抱き締める、我が妹をいつものようにからかった。
『もー!お兄様!私を何歳だと思ってるんですか!アベルだけに決まってるでしょう!毎朝言って飽きないんですか?』
おはようのキスをされなくなったのは仕方ないが、アメリアが幼い頃は、キスを貰うのはアベルじゃなくてこの私だったのに。
今では、我儘だのなんだのと言われているようだが、可愛い妹に変わりわないのだけれど。
そんな他愛もない、コミニュケーションをとる事が癒しの時間でもあったのだ。
それなのに今日のアメリアは何処か違う。
クスリと私に微笑みかけると、私の頬を優しく包み、引き寄せると額に口付ける。
ーーは?何だこれは?夢か?
至近距離でまるで大人のような雰囲気を醸し出す。まるでアメリアではないような錯覚にさえ陥ってしまう程。
そして甘く優しく響く、アメリアの声に鼓動が早まる
急いで片手で顔を覆い隠すが、顔が赤くなっているのは明白だ。
ーあぁ、いつの間にこんなに大きくなってしまったのか
今後あのクソ野郎に嫁いだら、この子は毎朝こんな風に甘く迎えるのだろうか。
こんなにも美しく、可愛い私の妹のどこに不満があるというのだ。
ー俺が_______していたら、未来は変わったのだろうか