〜*第7話*〜
後1週間に控えた、王城でのダンスパーティー。
本日は学園も休みで、家に帰宅する者、寮に残り友人と談笑している者。思い思いに過ごして居る。それでも結構帰宅している子達が多いように見受ける。
ダンスパーティーも目前だ。令嬢は準備もあるのだろう。
かく言う私はロナルドのおかけで、特に準備する事もない。
ここ数日の収穫をまとめようかしら。
ノートを取り出し、あの夜からの動くを確認すると、伯爵がその後反王政派と会った事が確認された。それも元ロータス帝国の帝都跡地を統治するサリジャーノ辺境伯とだ。
サリジャーノ辺境伯は表面は、人当たりの良い人だと皆口を揃えて言う。
しかし、裏の顔をしる人間はその名を聞いただけで顔を青くする。
興味のない振りをして、こういった話が好きな貴族の方々の話を聞いたり、街に出て変な噂が無いかそれとなしに探りを入れて、調査を進めていた。
それに帝都跡地と言っても、現在ここは罪を犯しエクリア王国から追放された者や、流れ者が住まう国となってしまっており、治安がとても悪い。
サリジャーノ辺境伯が代々引き継いでいるようだが、この一族はエクスタリア王家を恨んでいるという事を聞く。しかしこのような場所を与えられた事にも理由がある。約100年前この一族は謀反を働き、当時のエクスタリア王を殺害しようとしたのだ。
勿論主犯格の当時は爵位が公爵だった、サリジャーノ公爵は死刑。
それでも、当時の王は切れ者で生き残りの一族に選択肢を与えた。
ロータス帝国との終戦後、無法地帯となっていた帝都跡地の統治と降爵の処分になり罪を償うか、一族滅亡を望むか。この2つの選択肢を与えた。
統治と降爵の条件を飲んだ情けとして、辺境伯の降爵で済んだのだ。
この100年は問題なく過ごしており、現サリジャーノ辺境伯の貴族会議の参加権等の再三の訴えと、現国王陛下の働きかけで今まで与えられていなかった、王との謁見や貴族会議の参加権を反対派の意見を押しのけて、与えられたというのに。
恩を仇で返すとは…まさにこの事だろう。
感謝こそすれど、恨む必要はあったのだろうか。それとも何か裏があるのか…。
うーん…、と悩んでいると扉をノックする音。
ノートを引き出しに隠し、『どうぞ』と返事をするとリリィが顔を出す。
「アメリア様、申し訳ありません。王太子殿下よりお手紙です」
殿下から?突然どうしたのかしら、と不思議の思い手紙の封を開けると『午の刻、学園の庭園で待つ』とだけ書かれていた。
そもそもどうして庭園?いつも一緒する王族専用の設備完備でガゼボのある場所ではなくて?
明らかに様子がおかしいが、何か意図があるのだろうか。
現在は午前10時を指している。リリィに簡単に身支度を手伝って貰い、取り合えず学園に向かう事にした。もし本人だった場合不敬罪になってしまうから。
何かの罠の可能性が高い。疑ってかかったほうが良いわね。
◇◇◇
約束の時間までまだ早いが、心の準備をするために学園に向かう。
脚が震え、あの日の出来事がフラッシュバックする。
心を落ち着かせるために、胸に手を当て深呼吸をして何とか落ち着かせる。
「大丈夫よ、大丈夫…」
言い聞かせるように言葉にすると少し落ち着いた気がする。
本当はもう庭園に来るつもりは無かった。
…ねぇ、貴方は本当に私の義弟なの。また私を陥れる為に善人のように私に接していたの。信じたくない。あの優しい貴方が全部偽りだったなんて。
あの涙していた姿が、演技だとは思えないんだよ。
必死に何かを訴えていたもの。ねぇバロン。貴方は一体何が目的なの。




