〜*第1話-7*〜
紅茶を飲みチラリと反応を窺う。
さて…そんな事は許さない!って言われたらどうしようかしら。内心ドキドキしながらお父様の反応を待つ。
「……まぁ、アメリアがそれを望むなら私は賛成です。あのくそや…いや、殿下はアメリアには勿体ないと常々思っておりました。」
ニコリと父に向かって黒い笑顔で、援護射撃をしてくれるエリック兄様。
ーー今クソ野郎って言わなかった?
普段暴言を言わない、女性好きなただのイケメンなのに。
本当、妹に甘いんだから。
「ふむ…まぁアメリアがそう望むのであれば、陛下には私から伝えよう」
「いえ、お父様。殿下には私からお伝え致しますわ。今日は元々お昼に会う予定ですので」
こんな簡単に許して貰えるなんて。たいがいお父様も娘には甘々だわ。内心ホッとしつつ今後の展開を思うと胃が痛む。
これでロナルドに会うことは最後だろう。
ーーあの顔を思い出すだけで、吐き気がする
ロナルドに会った時に、私は平然と対応出来るのだろうか。私からそんな提案をしてそれを利用し、不敬だ!と私だけの追放で済むならそれでも良い。
元々この件が片付いたら、この家からも消える予定でいたし。
ー アルベルティ公爵家は愛しているけれど、もう生きる事に疲れたのよ。私のせいで…誰かが傷付くなんて…もうみたくない