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死にたがりな悪役令嬢  作者: 緑茶
78/92

〜*第6話-4*〜

ーside エリック


アメリアの様子を見にいくと廊下まで響く『死なせてよ』というアメリアの叫び声。

只事ではないと感じ、部屋に押し入ると血まみれの腕や服に、血の臭い。


自身の血の気が一気に引いていく。


最初は私の姿等見えていないかのように、知らない名前を呼び、話を進める。

話を聞こうにも、死にたいとしか言わなくて、本当に精神が限界なのだろう。

抱き締め、少しでも話を聞きたくて出来るだけ穏やかに声を掛ける。


話しを聞いていると、何とか言っている事が理解出来た。

サーシャという人物が死ぬ邪魔をし、きっと・・奏汰という人物をこの子は愛しているのだろう。


その名はあの日、眠っているアメリアの口から聞いた名だった。

聞いたその日から調べたのだが、そのような人物は存在しなかった。

それからも事件等色々な事があり、心落ち着かない日が多く、それに加えて

殿下との仲が修復し、嫁いでしまうのだろうか。

花壇で出会った男を好きになったのだろうか。

等と色々な事を考え、ジリジリと押し寄せる焦燥感を押し殺す日々。


寮暮らしが始まってからは、何か調べていたようだが、護衛に指示し隠しながら何を探っていたため、何を探っていたのかは分からずじまい。

護衛にはアメリアの命令も守るよう指示していた為、付いて来るなと命令を受ければ護衛の目も離れた。


一体この子は何を隠しているのか。

それさえも聞けない、聞いたらきっとこの子は居なくなってしまう。

それでも愛しい子で、可愛い妹…ではあるのだ。



「生きてくれてて…本当に良かった」

静かな寝息、私より低い手の温もり。

ベッドで眠るアメリアの頬を起こさないよう撫で、あの方とのやり取りを思い返す。


父から聞いていた話が本当だったとは。父上と作戦を立てなければいけない。

絶対に言い伝え通りになんてさせない。私が…私達が守って見せる。


「だから私の側で…どうか心穏やかに過ごして欲しい。ゆっくりお休み。私の愛しい子」

額にキスを落とすと、キュッと心臓が捕まれたような感覚に襲われ、溢れそうになる涙をなんとか堪える。


『お前の生もなんとも難儀な…』サーシャ様は一体何をご存じなのだろうか。

難儀な日々を送ったつもりは無い。

この子に出会えた事が、私の唯一の幸福であり、宝だと思えるから。


まぁ、あの方が私の何かを知ったとしても、この子の望みを叶え続ける為にも、絶対に悟らせるつもりもない。私は…唯一の 騎士-ナイト-なのだから。


安心したのか、徐々に眠気を伴うと、

『ありがとう。これからも頼むよ』と、どこからかそんな声がした気がした。

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