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死にたがりな悪役令嬢  作者: 緑茶
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〜*第6話-3*〜

その瞬間、背後から強力な風が吹き荒れ、私の背中を前に押し上げる。

この感じはサーシャの仕業ね。

私の身体の自由を奪えなくなった代わりに、風を使ったようだ。


再度ベランダに戻って来た身体は、バランスを崩し地面に膝をつく。


「ッ!サーシャ!!どうして!!」


ギリッと歯を食いしばり、地面を叩き付ける。

どうしてよ・・どうして邪魔ばかりするの。


「もう解放させてよ…死なせてよぉ」


顔を覆い溢れ出す涙を隠す。

どうしてどうして…そんな感情ばかりが私を支配する。


同一の身体を共有することで、きっとサーシャは全て理解している筈なのに。

私の苦しみも少しは理解してくれると思ったのに。

辛い、苦しい、切ない、負の感情に飲まれる。


「アメリア…」

その瞬間兄の温もり、香の包まれる。

この世界に来ていつも側にいてくれて、私を守ってくれた人。


「良かった…お前を失うかと思った。苦しんでいるのは理解した、それでも生きてくれないか。私が必ず何者から守るから。だから…私からお前を奪わないでくれ」

「……」

「お前の事が、この世のどんなものより大事なんだ」


兄の悲痛な願い。痛いくらいに抱きしめられ胸が痛む。

私は…あいつと同じ事をこの人にしようとしていたのだろうか。震える腕に抱きしめられて、ほんの少しだけ冷静になってきた頭と感情。


ー そういえば、菜々美の声がしない。


『アメリア・・。少し休みなさい』

側に来たサーシャが私の目を覆い、何か唱えると急激な眠気に襲われる。


「…ごめんなさい、ごめ…ん…い。お兄…」

どうしてかな。私を見下ろす兄の姿に、彼の姿がダブってみえるのは。


◇ ◇ ◇

ーside サーシャ


「アメリア!!」

意識を手放した妹の身体を、青ざめる兄が抱きしめる姿に、少し過去を思いだす。

感情が流れ込んできて、この子の気持ちが分からないわけではない。

それでもそんな事させる事はできないし、暫く一緒に過ごす内に情が沸かないわけでもない。それにアメリアは気付いていないようだが、気になる事もある。


『大丈夫だ。落ち着け、眠っているだけだ』

姿を実体化し、エリックの前に姿を現すと目を見開くと同時に、鋭い眼光に剣を取りアメリアを守る体制をとる。


「お前は一体なんだ!突然この場に現れるとは…貴様何者だ」

『我が名はサーシャ。この娘と契約する存在…と言えばよかろうか』


疑い深い視線で私をみやるこの者に、公爵家当主と次期当主しか知り得ない、とある秘密を打ち明ける。

『まぁ、そう疑うではない。ーーーーと言えば分かるか』


その言葉に息を飲み、頭を下げ謝罪の言葉を発する。


『よい。それよりこの娘は今混乱状態だ。目覚めた後お前に話しをするか分からぬが…側にいてやれ』

「はい。そのつもりです」

まるで触れるとあっという間に壊れてしまう物に触れるように、それでも触れたくて、愛しくてたまらないという表情を浮かべアメリアに触れている。


『あぁ…なるほど。お前の生もなんとも難儀な…』

「私の生が難儀…?」

『いや、こちらの話だ。私も注意深くみておくが、お前達家族の言う事の方がこの娘は聞きそうだからな。任せたぞ』

「……はっ、承りました」


やれやれ、なんとも面倒な事をしてくれたものだの。あやつも

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