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死にたがりな悪役令嬢  作者: 緑茶
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〜*第6話*〜

『可哀想な菜々美。やっぱりこうなったね』


もう慣れてしまった暗闇の中、今まで顔をみせてくれなかったフードを被った子がフードを取り顔を出す。

その横で小さいアメリアはクスクスと笑っている。


ー そうかもしれないと心の何処かで思っていたけど、まさか本当にそうだったとは


「貴方は私…菜々美だったのね」


前世の小さい頃の私が目の前にアメリアと並び立っている。


『そう、私も貴女。昔から貴女と共に居た』

「・・・」

『お母さんが死んだ時も、学生の頃も、あの事件の時も、貴女が苦しい思いをした時には私が居た。覚えているでしょう?私は貴女の負の部分』

「・・・、裏切者って彼の事だったの」

『うん!そうだよ。せっかく教えてあげていたのに。可哀想な私』


私の頬を小さい手で包み込み。笑みを浮かべ私を見つめる。

この笑顔…前世で良くしていた気がするな。虚無感の顔だ。


『せっかく死んだのにね。死ねなかったもんね』

「・・・」

『・・また死のうか。ねぇ?もう良いでしょう?殿下とも仲良くなったみたいだし、アルベルティ公爵家の人間が殺される事はないよ』

「・・・」

『辛いよね、苦しいよね、もう生きている意味なんてないよね、あいつを殺してさ…もう死んじゃおうよ』


そうだね、もう死んでいいよ。どうでも良い。あぁ・・・でも


「うん、死んでもいい。だけど彼は殺したらダメ…アルベルティ公爵家に迷惑がかかる。絶対にそれは駄目」

『・・・・へぇ、以外と冷静だね。まぁいいや』


興味をなくしたように、私から離れてまたフードを被りなおす。

『また助けてあげるよ。菜々美…いや、アメリア。ほらもう起きて』

口元だけ笑みを浮かべて消えた彼女を見届け、再度意識を手放す。


◇ ◇ ◇


言われた通り目を覚ますと、外は真っ暗で慣れ親しんだ自身の部屋だ。

知らない内に、公爵邸に戻ってきたみたいだ。


「…夢…いや、夢じゃない…」


思い出したくもないのに、次々と記憶が頭を過る。

吐き気・頭痛が私を襲う。

『もう良いんだよ』と頭の中で声がする。


チラリとサイドテーブルに目を移すと、コップと水差しが置いてある。

『ほら、大丈夫。コレを使って死のう』


「コレを使って…」自然とコップに手を伸ばす。

それから前世と同じように強い衝動にかられ、コップを手に取り思い切り床に叩き付ける。

早くしないと…誰かに音を聞かれたかもしれない、


「…奏汰…奏汰…貴方の側にいかせてよ」

床に散乱するガラス片を手に取り、大きく振りかざし手首を切る。

ドクドクと鮮血がほとばしると、目の前に強い光が現れサーシャが現れた。


「アメリア、主なにをやっているのだ!」

慌てた様子で手首に手をかざすと、傷はあっという間に無くなった。


「サーシャ邪魔をしないで。私は死ぬのよ」

「それは聞けぬ願いだ!」

再度手首を切り刻むも、サーシャに邪魔をされ傷を治された後、身体を動かなくする魔法を使ったのか、私の身体の自由を奪う。


「止めて、もう私を死なせてよ!どうして邪魔をするのよ!」

大声で叫んだ瞬間、バンと勢いよく扉が開き兄が部屋へと入って来てしまった。

私の腕の血や、ベッドに飛び散った血をみて、顔を青くして私に駆けよってくる。

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