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死にたがりな悪役令嬢  作者: 緑茶
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〜*第5話-14*〜

無言の状態が続き、仕方がないので外を眺めていると寮の近くまで戻ってきていた。

うーん、家族とは喧嘩をしたくないんだけどなぁ。


チラリと兄に視線を戻すと、こちらをずっと見つめていたのか目が合ってしまった。

気付かない振りをするのもおかしいと思い、姿勢を正し兄と向き合う。

すると無言を貫くのを諦めたのか、兄が先に口を開く。


「…お前は殿下とは友人になったと言っていたが、相手はそう思っていないと思うぞ」

どうして分かるのだろうか。そんなに殿下分かりやすいのかしら。

いや、兄が鋭いだけよね。何と言えば良いのか分からず、ニコリと笑みを浮かべ濁す。


「まぁ、以前のような関係に戻りたいというなら別だが、違うのなら今後は気を付けなさい」

「…はい」

「本当はお前を幸せにしてくれる人と、穏やかに付き合って欲しいのだが、出来る限りお前の意思を尊重したいからね。口うるさいと思っても我慢してほしい」


照れ隠しだろうか、今度は兄が私から視線を外し、外に視線を向ける。

その優しさに、嬉しさがこみ上げてきて、兄の隣にピタリとくっつき座り、兄に頭を預ける。


「お兄様はもっと私に厳しくしても良いんですよ、甘いんですから」

最後は結局折れてくれる兄がとても好きだ。


「ほう、そんな事を言うと、家に閉じ込められても問題ないんだな」

振り幅が凄い。極端すぎませんか?スッと距離を空けるとククっと喉を鳴らし笑い始めた。

軽く腕を叩き、それからは和やかな空気の中寮に付くまで話をして過ごす。


寮に付いた時、離れ難そうな兄を見送り寮に戻ると、待機していたリリィ達に根掘り葉掘り聞かれ、大変な1日を終えた。

ベッドで身体を休め、明日の対策を考えていると、ウトウトと眠気が襲ってきて我慢できず意識を飛ばす。


◇ ◇ ◇


「ここは…」

いつもとは違う、真っ白い空間が果てしなく続いている。

ここはどこなんだろう、少し戸惑っていると『ーー。どうしてここに』と前世の私の名前を誰かが呼んだきがした。振り返りその人物の姿を確認すると途端に涙が溢れ出す。


『まいったな、泣かせるつもりはなかったのに』

ふわりと以前と同じように、私の頬を優しく触れる。ただ・・そこに貴方の体温は感じない。

これは現実ではないのだと実感してしまう。


それでも会えた事が、嬉しくて、切なくて困ったように笑う貴方に抱き着く。

優しく抱きしめ返してくれる愛しい人。


「会いたかった。ずっとずっとずっと・・」

『うん、俺もだよ』

「ごめんね、ごめんね、奏汰、ごめんね」

子供のようにわんわんと泣く私の涙を優しく拭い、あの頃と変わらない大好きな笑みを浮かべる。



『そんなに泣くなよ、菜々美。ほら、せっかくこうやって話せたのに!な?』

私の名前を愛しそうに呼ばれるだけで、多幸感に包まれる。

その後少しだけ落ち着くと、今の姿はアメリアではなく、菜々美の姿になっているようだ。


『…でも急にどうしてここに来れたんだ?』

「さぁ、私にも分からない…でもいいの。ずっとこのまま奏汰と居る」

この空間に、このまま2人でずっと一緒にいたい。

現実になんて戻りたくない。

奏汰の顔に頬擦りをすると、一瞬ピクッと私を抱きしめる手が反応し、身体をゆっくりと引き剝がす。


「…え」

『それは駄目だ。ここに菜々美は居てはいけない』

真剣な表情で、突き放されてしまった。


「どう…して。…やっぱり私の事が憎いの?私のせいで…殺されてしまったから、だからやっぱり会いたくなんてなかったの…?私の事嫌いにな」

懇願するように、腕を掴みながら訴えかけると『違う!』と大声を出され、

初めて奏汰に怒鳴られて硬直してしまい、何も言えなくなった。


『そんな事あるわけないだろう…。俺は今でも菜々美だけを愛している。頼むから、そんな事言わないでくれ。もし嫌われるとしたら、菜々美を1人残した俺だろう』

「…そんな事ない、奏汰の事嫌いになんてならないよ。貴方だけを私も愛していたんだもん。でも…それでも側に居れないのが、辛いよ…」

途絶えながらだが心の内をさらけ出す。そんな私の事を苦しいくらいに抱きしめてくれているんだろうけど、苦しみは全く感じない。

それがとても辛くて、現実ではない事実だけが私を襲う。


『菜々美…俺は今でもお前の事を見守っている。何かあれば助けるよ』

「どうやって…目を覚ましたらまた奏汰は居ない世界なんでしょ…嫌だよ」

私の涙を優しく拭い、優しく私にキスを落とす。


『大丈夫だ、側にいるよ…そしてお前の幸せだけを祈っている。』

『愛してるよ、・・あぁ、もう戻る時間だな』


その言葉とともに、凄い勢いで身体がどこかに引き寄せられる。

「嫌だよ、せっかく会えたのに、奏汰!奏汰ぁあ!!」

手を伸ばすも、もう既に奏汰には届かない距離。彼の表情も分からない。

更新を再開します!

また突然更新止まる事もあるかもしれませんが、再度お付き合い頂けたら幸いです。

これからも読者の皆様宜しくお願い致します。


今後の展開ですが、話し的にはおそらくあと、100P以内で完結出来ればと思っています。

急展開を迎えたりするかもしれませんが、お願い致します(*'ω'*)♡

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